新型コロナウイルスへの対応の中で 教えを支えに日々を過ごす会員たち(49)

(秋田教会提供)

新型コロナウイルスの感染拡大が続き、立正佼成会ではさまざまな集いを控えています。こうした中、会員はどのような思いで過ごしているのでしょうか。それぞれの場で精進を重ね、家族やサンガ(教えの仲間)と心をつないでいる会員の声を紹介します。今回は、秋田教会会員です。

折り鶴に平和への祈り託して

秋田教会会員(77歳、女性)

2月下旬にロシアがウクライナに軍事侵攻し、連日、破壊された街の様子がテレビに映し出されています。負傷した市民の様子や泣きじゃくる子供の表情、さらに、家族を失い悲嘆に暮れる人々の映像を見るたびに胸が引き裂かれる思いがして、涙が出てきました。

「どうか、戦争をやめてもらいたい」。年金暮らしで、金銭的な支援はままなりませんが、それでも、何かできることをと、居ても立ってもいられませんでした。そこで、心を込めて折り紙で鶴を折り、祈りを届けたいと思うようになりました。

同居している孫は折り紙が大好きで、たくさん持っています。孫にも平和の大切さを少しでも感じてもらいたいと思い、「ウクライナという国で戦争が起こっているんだよ。一日も早く戦争が終わるように、鶴を折って平和を祈りたいの」と話し、折り紙を譲ってほしいとお願いしました。孫は「いいよ」と快く手渡してくれました。一羽でも多く折れたらと思い、一枚を小さく切って、毎日、折り続けています。

鶴を折っている時、ふと、会員綱領で「家庭・社会・国家・世界の平和境(常寂光土)建設」と、家庭から順に書かれていることが心に浮かびました。争いの火種は国や世界といった大きな場所だけではなく家庭の中にもあります。自分は家族を大切にできているかと自問すると、最近、息子と衝突したばかりで、「自分が正しい」と我(が)を通していたことに気づきました。息子の思いに耳を傾けず、寄り添えていなかったことを反省し、家庭に平和を築くため、家族に寄り添う大切さを心に留めました。

2月下旬から折り始めた鶴は300羽を超えました。私は折り鶴を通して家族の有り難さをかみしめることができましたが、ウクライナではその家族が引き裂かれ、今なお状況の改善は見られません。これ以上犠牲が出ないように、一刻も早く争いが終わり、ウクライナが平和になることを祈り続けます。