平和こそ生活の原点 日本国憲法Q&A(4)――日本国憲法の考えは色あせてしまった?

第二次世界大戦終戦直後の1947年、日本国憲法は施行されました。憲法は「法の中の法」「きまりの中のきまり」ともいわれるもので、私たち一人ひとりの自由や権利を守り、その人生や生活を支えています。

憲法とはどのようなものなのか、日本国憲法はいのちの尊さ、平和、信仰といったことをどのように考えているのか、どうして憲法の改正には国民投票が必要なのか――。憲法についていろいろ議論が起きている中、私たちはこうしたことをしっかりと学んでおく必要があります。本連載の第4回は、現行憲法が持つ平和主義の理念について考えます。

Q4「平和憲法」と称される日本国憲法、その考えは色あせてしまったのでしょうか?

20世紀は「戦争の世紀」と言われました。私たちは、この世紀に二つの世界大戦をはじめ、約250の戦争を経験しました。

これらの戦争によっておよそ2億人の人命が失われました。人命ばかりではありません。自然環境や社会環境も破壊され、貴重な文化遺産や文化伝統も失われ、膨大な資源が軍備に費やされました。

日本も、第二次世界大戦で、未曾有の殺りくと破壊を経験しました。とりわけ広島と長崎に投下された原子爆弾という核兵器によってもたらされた惨劇は、筆舌に尽くせるものではありませんでした。広島では14万人余り、長崎では7万人余りの人が一瞬のうちに死んでしまったのです。生き残った被爆者の方々もまた、健康への不安を抱えながら暮らしていくことを余儀なくされました。

私たち日本人は、原爆が投下されたその時から、世界の歴史の中で特別な使命を与えられました。それは「二度と戦争という過ちをおかさない」「二度と核兵器を使わせない」ということです。

私たちは、他国といかなる争いや対立が生じても、問題を解決するために戦争をしてはならない、戦争のための軍事力を持ってはならないということを、人類に示す使命を与えられたのです。

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