平和こそ生活の原点 日本国憲法Q&A(3)――現行の憲法は押し付けられた、古いもの?

第二次世界大戦終戦直後の1947年、日本国憲法は施行されました。憲法は「法の中の法」「きまりの中のきまり」ともいわれるもので、私たち一人ひとりの自由や権利を守り、その人生や生活を支えています。

憲法とはどのようなものなのか、日本国憲法はいのちの尊さ、平和、信仰といったことをどのように考えているのか、どうして憲法の改正には国民投票が必要なのか――。憲法についていろいろ議論が起きている中、私たちはこうしたことをしっかりと学んでおく必要があります。本連載の第3回は憲法の意義について理解を深めます。

Q3「日本国憲法には、『押しつけられた憲法』『古くなった』との声があります。本当にそうですか?」

日本国憲法に対しては、「占領軍(GHQ=連合国軍総司令部)に押しつけられた憲法」との意見があり、改正すべき理由の一つにされてきました。また、施行からかなりの年月が経ち、「古くなったから変えるべき」との声も聞かれます。

しかし、「押しつけられた」とか、「古くなった」という一言で、憲法の中味をよく吟味することなく、改正すべきだという議論は、あまりにも乱暴ではないでしょうか。

憲法を考える上で大切なことは、憲法の生命の源である「核となる考え方」(価値原理)がどうであるかということです。現在だけでなく未来を見据えて、国の理念やあり方はどうあるべきか、それに基づく国の統治の仕組みは適切かどうかを慎重に見ていく必要があります。

確かに、45年に敗戦を迎えた日本は、52年までの7年間、連合国の占領下にありました。戦争を起こし、アジアを中心に大きな被害をもたらした日本は、他国から今後の政治のあり方が注視されていました。

そうした中で、GHQは日本政府に民主的な新しい憲法をつくるよう指令します。日本政府は改憲試案をつくりましたが、戦前の大日本帝国憲法とほぼ同じ内容だと分かると、GHQは方針を変え、自ら草案をつくり、政府に提出しました。

GHQのこうした関与が、「押しつけ憲法」の根拠になっているのです。しかし、この草案は国会(当時は大日本帝国議会)で幾度も審議され、いくつも修正された後、国会の承認を得て現在の日本国憲法となりました。さらに、戦前の精神的に不自由な暮らし、そして、戦争による大きな負担と犠牲を経験した大多数の国民は、「国民主権」「基本的人権の尊重」「平和主義」を柱とする日本国憲法を歓迎しました。これらは疑いのない事実です。

「国民主権」によって、収入、納税の額や性別に関係なく、すべての人が選挙に参加できるようになりました。国民がまさに主役として政治を行えるようになったのです。

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