ちょっと軽く、ストレッチしてみましょう(5.不眠症) 加瀬剛(スポーツトレーナー、佼成学園高アメフット部ヘッドトレーナー)

「体幹を鍛えることで当たり負けない体をつくる」をモットーに、佼成学園高校アメリカンフットボール部「ロータス」の全国大会3連覇に貢献したスポーツトレーナー加瀬剛氏。日頃は、接骨院の院長として、一般の人々のケアにも当たっている。体の構造を知り、毎日をしなやかに過ごすにはどうすればいいか――体の専門家としてアドバイスする。(※ケアの方法を動画で紹介)

夜は良く眠れていますか?

寝つきが悪かったり、夜中に何度も起きたり、一度目が覚めてしまうと、そのままなかなか眠れなくなるなど、不眠症で悩んでいる人は意外と多いのが現状です。

適度な睡眠時間は7時間程度とされています。

眠りには「眠りの浅いレム睡眠」と「眠りの深いノンレム睡眠」があり、1回の睡眠中にレム睡眠とノンレム睡眠が約90分のサイクルで4~6回繰り返されるため、理想的な睡眠時間が7時間くらいになるのです。“よく寝たはずなのに疲れがなかなか取れない”ということがあると思いますが、これは眠りが浅く、きちんとしたサイクルで眠れていない証拠なのです。

眠れない原因は多岐にわたります。加齢によることはもちろん、夜中の頻繁なトイレ、精神や皮膚の過緊張、自律神経失調症、更年期障害などです。

例えば、皮膚は過緊張すると皮膚を構成する“層”が薄くなり、温度差に敏感になります。そのため、暑かったり寒かったりすることで眠れなくなるのです。自律神経失調症や更年期障害が原因で引き起こされる不眠症は、全身の病気として捉える必要性があります。

さて、今回は不眠の原因として多く説明される自律神経との関係についてお話しします。

睡眠障害について調べてみると、自律神経に原因があると説明されることがとても多いのですが、そもそも自律神経とはどういったものなのでしょうか。

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