誰も自殺に追い込まれることのない社会へ――地域のつながりが命を守る NPO法人「自殺対策支援センター ライフリンク」代表・清水康之氏

自殺は亡くなり方が衝撃的であるため、最期ばかりが注目されてしまいます。しかし、特別な人が特別な問題を抱えて、突然に自らの命を絶つのではありません。NPO法人「自殺対策支援センター ライフリンク」では、自殺で亡くなった方のご遺族から聴き取り調査をして、自殺の実態について分析しています。この結果から、人が自殺に至る、追い込まれるプロセスには一定の規則性があること、自殺で亡くなった方は平均四つの問題を抱えていたことが分かりました。

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天空の鏡

標高1000メートルの雄国沼(おぐにぬま)に上がるには、曲がりくねった細い山道を登って行かなければいけない。初冬のある日、思い立って車を走らせ、頂上に着いた瞬間、アッと声を上げた。そこには思いもよらない景色が広がっていたから。誰もいない山頂は、風もなく静寂に包まれ、木々は霧氷で白く輝き、沼は青い空と周りの景色を写し込み、まるで天空の鏡のようにひっそりと静まり返っていた。

雪化粧

もう誰も取らなくなった残り柿に雪が積もる――私はこの光景が好きで、毎年ここに来る。白一色の世界に赤い柿の実が彩をつけ、真冬に灯を見るようなほっとした気持ちになる。まるで日本画を感じさせる光景を眺めながら、私は心の引き出しから、美しさを表現する大切な何かを取り出そうと、シャッターを押す。

黎明

黎明の朝は幻想的な輝きに満ちる。何とも言えない清冽(せいれつ)な空気に包まれる。季節は初冬へと移行し、湖に今までの華やかさやにぎわいはない。湖面に蒸気霧が立ち上り、ゆっくりと流れ行く、この季節ならではの美しさを保っていた。私は、はやる心を抑えながら、もう二度と出会えないであろう瞬間をカメラに収めた。

WCRP/RfP日本委 災害弱者を支える熊本地震復興支援「おうえんプロジェクトforくまもと」 2017年度支援先を発表

世界宗教者平和会議(WCRP/RfP)日本委員会は12月5日、「おうえんプロジェクト for くまもと」の2017年度支援先を発表した。

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佼成学園女子高 徳久さん、坂谷内さんが文部科学大臣賞 「SGH全国高校生フォーラム」で

佼成学園女子高校の徳久愛華(とくひさあいか)さん(2年)、坂谷内咲里(さかやうちさり)さん(1年)が、11月25日に横浜市で行われた「スーパーグローバルハイスクール(SGH)全国高校生フォーラム」(文部科学省、筑波大学共催)のポスターセッションで、文部科学大臣賞を受賞した。

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教団行事などで手話通訳を担う会員有志のサークル「しゅわっち」 発足から20年

立正佼成会東京教区の手話サークル「しゅわっち」が今年、活動開始から20年の節目を迎えた。同教区の会員ボランティアにより発足して以降、現在まで、仏の教えを求める聴覚障がい者のために行動する姿勢を貫く。教団行事や教会式典などで行う手話通訳は、多くの人に喜ばれている。

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利害を超えて現代と向き合う――宗教の役割(10) 文・小林正弥(千葉大学大学院教授)

ネットの世界の問題点

政治家たちの行動にその時の心理的状況が現れ、そのような「政治における精神性」が有権者の印象を左右し、衆議院議員総選挙の結果に影響を与えた――そう前回に論じた。このように精神的・倫理的次元は、政治家にとっても、また有権者にとっても重要である。これは、日本に限ったことではない。

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庭野平和財団GNHシンポジウム特集3 哲学者の内山氏が基調講演(後編)

『現代社会とパラダイムの転換――私たちはどこへ向かおうとしているのか』をテーマに10月18日、庭野平和財団の「第9回GNH(国民総幸福)シンポジウム」が開催された(ニュース既報)。この中で、NPO法人「森づくりフォーラム」代表理事で、哲学者の内山節氏が現代社会の状況と課題、さらに転換の兆しについて基調講演を行った。その内容の後半部分(要旨)を紹介する。

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釈尊が悟りを開いた意義をかみしめる「成道会」 

仏教三大行事の一つで、釈尊が悟りを開いた意義をかみしめ、報恩感謝の心でさらなる菩薩行の実践を誓う「成道会」が12月8日、大聖堂(東京・杉並区)をはじめ全国各教会で行われた。大聖堂には会員約3300人が参集。法話に立った庭野日鑛会長は、「成道」の意義に触れ、当たり前のようにある日常生活への感謝や、子供を育てる家庭環境の大切さを説いた。

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