バチカンから見た世界(9) 文・宮平宏(本紙バチカン支局長)

イスラームの社会に大きな変革をもたらすか――アズハルでの国際会議

ローマ教皇フランシスコはこのほど、ドイツの週刊誌「ディー・ザイト」のインタビューに応じ、その中で「エジプトへの“研修旅行”を検討している」との意向を明かした。エジプト訪問を「研修旅行」と呼ぶ教皇の念頭には、カイロにあるイスラーム・スンニ派最高権威機関「アズハル」への訪問があることは確かだ。アズハルのアハメド・タイエブ総長も昨年10月、世界教会協議会(WCC、本部・ジュネーブ)で行ったスピーチの中で、「来年、エジプトでローマ教皇フランシスコの臨席を得、平和会議を開催したい」との意向を表明していた。

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本会創立79周年記念式典 ミードビル・ロンバード神学大学院元学長が祝辞(詳報)

立正佼成会の「創立79周年記念式典」が3月5日、大聖堂をはじめ全国各教会で挙行された。大聖堂の式典には会員約4000人が参集した。席上、法話に立った庭野日鑛会長は、人間として生まれたことへの感謝を忘れず、菩薩行を通して人々の救いに取り組む尊さを述べた。式典の模様は国内外の教会・拠点にインターネットで同時配信された。

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東日本大震災「一食三県支援」の現場から 絆をつむぎ支え合う人々(2)

東日本大震災で甚大な被害を受けた岩手、宮城、福島の3県では、各地域で住民たちが復興に向けた取り組みを進めている。また、東京電力福島第一原子力発電所の事故により、他府県で暮らす福島からの避難者を支える活動も行われている。立正佼成会一食(いちじき)平和基金では、「東日本大震災三県支援」として、地域の課題の解決や地元のニーズに沿った活動を展開している民間組織や住民組織、NPO法人などをサポートしてきた。震災から6年を迎え、復興に取り組む3団体の活動を紹介する。第2回は、岩手・釜石市のNPO法人「カリタス釜石」。

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【ノンフィクション作家・柳田邦男さん】問われる原発事故の教訓 徹底的な検証を今こそ

半世紀にわたって、科学技術と人類の行方、事故や公害問題、生命と医療の関係など「いのち」にかかわる事象を幅広く取材し、さまざまなメディアに発表し続けている柳田邦男さん。常に現場を歩き、物事の本質を多角的にとらえる取材力、分析力は高い評価を受ける。東京電力福島第一原子力発電所の事故に際しては、内閣が設けた「事故調査・検証委員会」の委員を務めた。原発事故発生から6年、被害の状況や国民に突き付けられた課題について聞いた。

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立正佼成会 庭野日鑛会長 2月の法話から

2月に行われた大聖堂での式典から、庭野日鑛会長の法話を抜粋してまとめました。(文責在編集部)

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バチカンから見た世界(7) 文・宮平宏(本紙バチカン支局長)

狂信主義、過激派、暴力に共闘するアズハルとバチカン

「アラブの春」と呼ばれる民衆運動のさなか、2011年10月9日にエジプト・カイロで、ムスリム(イスラーム教徒)と同じ権利を訴えデモを行っていたキリスト教コプト正教会の信徒と治安部隊が衝突し、26人の信徒が死亡し、300人が負傷した。当時のローマ教皇ベネディクト十六世は、信徒殺害を非難し、信徒への連帯を表明。一方、カイロにあるイスラーム・スンニ派最高権威機関「アズハル」は、教皇の発言を「内政干渉」として批判し、バチカン諸宗教対話評議会との対話を「凍結する」と発表した。しかし、この5年間、バチカン諸宗教対話評議会は、イスラーム内部での改革に関して主導的な役割を果たしているアズハルとの対話再開の道を模索してきた。その努力が功を奏したのは昨年5月23日。アズハルのアハメド・タイエブ総長がバチカンを訪れて教皇フランシスコと懇談し、対話が再開された。

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第34回庭野平和賞が決定 パレスチナ人でキリスト教ルーテル世界連盟議長のムニブ・A・ユナン師に 中東和平に尽力

「第34回庭野平和賞」の受賞者が、キリスト教の「ルーテル世界連盟」(LWF)議長で「ヨルダン及び聖地福音ルーテル教会」(ELCJHL)監督のムニブ・A・ユナン師(66)に決定した。公益財団法人「庭野平和財団」(庭野日鑛名誉会長、庭野浩士理事長)は2月20日、京都市内のホテルで記者発表会を開き、席上、庭野理事長が発表した。パレスチナ人の同師は、ユダヤ教、キリスト教、イスラーム3宗教の聖地であるエルサレムで諸宗教対話・協力を推進し、諸宗教指導者と共に混迷する中東問題の平和的解決に向け尽力。同時に、カトリックとルーテル教会の歴史的な和解を実現するなどキリスト教内の一致(エキュメニカル)にも取り組んできた。贈呈式は7月27日、東京・港区の国際文化会館で行われる。

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立正佼成会 庭野日鑛会長 1月の法話から(2)

1月に行われた大聖堂での式典から、庭野日鑛会長の法話を抜粋してまとめました。(文責在編集部)

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立正佼成会 庭野日鑛会長 1月の法話から(1)

1月1日付「佼成新聞」から、庭野日鑛会長の年頭法話「有り難し」を紹介します。

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バチカンから見た世界(3) 文・宮平宏(本紙バチカン支局長)

トランプ大統領による壁の建設に対して カトリック

トランプ米大統領は1月25日、中南米からの密入国者の流入を阻止するため、メキシコとの国境に壁を建設する大統領令に署名した。密入国者が犯罪やテロの温床になっていると主張するトランプ氏は、治安の観点から、彼らの強制送還などに関する大統領令にも署名し、不法移民対策の強化に乗り出した。

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