立正佼成会 庭野日鑛会長 1月の法話から(2)

1月に行われた大聖堂での式典から、庭野日鑛会長の法話を抜粋してまとめました。
(文責在編集部)

一人ひとりが世の光に

太陽は

夜が明けるのを待って

昇るのではない

太陽が

昇るから

夜が明けるのだ ※1

これは東井義雄先生の詩でございます。夜が明けるのを待って太陽が昇るのではなく、太陽が昇るから夜が明ける――この詩のように、私たちも、一人ひとりが世の中の光になっていくことが大切だと思います。そうすると、世の中が明るくなっていくのです。

※1 引用元 『東井義雄一日一言 いのちの言葉』(東井義雄著、米田啓祐・西村徹編、致知出版社)

画・茨木 祥之

数え年に込められた意味

日本では、第二次世界大戦が終わる頃までは、お正月が来るたびに歳(とし)を重ねる「数え年」が一般的でした。

私は、3月20日生まれですから、早生まれ(1月1日から4月1日までに生まれた人。数え年7歳で就学することから「早生まれ」と呼ぶ)です。4月生まれの人(4月2日から12月31日までに生まれた人は、同じ年の早生まれの子供より1年遅い数え年8歳で就学することから「遅生まれ」と呼ぶ)とは、ほとんど1年違うのですが、小学校には、(数え年)7歳で入学したことから、そう言ったわけであります。高齢の方々は違うかもしれませんが、今では、だいたい満年齢で表現していると思います。

満年齢は、今まで実質的に生きてきた経過年齢であって、生物学的な意味はあっても、未来への夢がまったく感じられない、と言われる方もいます。一方、昔からの数え年は、お正月を境にして、日本全国の人が一斉に歳を重ねるわけですから、すべての人が一緒になって、豊かな未来に向かって、新たな気分で進んで行こうという夢があるとも言われます。

実際に人間が母親の胎内に宿って、十月十日(とつきとおか)で生まれてくるのですから、生まれた時には、すでに10カ月経っているわけです。それを足せば、何月生まれであっても、とにかくお正月が来たら、また一つ歳を重ねていく、と。極端な例では、12月31日生まれの人は、その翌日に2歳になってしまいますが、それはそれとして、とにかくお正月が来て、日本人全体が一つ歳を重ねて、みんなで新たな年を、新たな気分で出発しようという数え年は、とても素晴らしく、捨ててはならないものだと思っております。

人間だからこそ分かる宇宙の不思議

宇宙は、「ビッグバン」によってでき、130億年とか150億年経(た)っているとみられています。そうした中で、私たちのいのちができ上がり、そのいのちの中に宇宙と同じ元素があります。ですから、私たちと宇宙は、本当は一つであるということです。宇宙の性質を、私たちもそのまま体の中に秘めているということです。

天文学、惑星学などが発達し、宇宙のことが分かってくればくるほど、宇宙は、とても不思議なものだと言われます。しかし、そういうことを分かる人間の脳がなければ、宇宙がなぜあるのか、どうなっているのかということも分からないわけです。人間がいなければ、宇宙という言葉すらありません。「ビッグバン」とか、宇宙がどうなっているかということも分かりません。人間が生まれてきたから、宇宙がある――極端に言うと、そういうことも言えるのです。

地球の一番良い時代

ある宇宙物理学者が、「今は地球の一番良い時代」とおっしゃっています。宇宙ができて137億年とか言われるような時間が経っているそうですが、太陽の周りを回っている惑星である地球も、でき上がるまでには、相当長い年月を要しています。今でも、ときどき火山が爆発したりしますが、この地球の内部には、マグマがいっぱい溜(た)まっているわけです。そうした熱い、火の玉のような時代も、地球にはあったということです。その表面が冷えて、今のように、人間も、他の生物も棲(す)めるようになりました。ですから、私たちがいる今の時代は、「地球の一番良い時代」ということであります。

良い時代なのですが、地球上の人間は、そのことを念頭に置いていません。戦争、紛争、テロなどで、わざわざ地球を破壊していると言ってもいいほど、世界中にいろいろなことが起こっています。その意味で、今は「地球の一番良い時代」なのだということを、まず私たちが知らなければならないのです。