新型コロナウイルスへの対応の中で 教えを支えに日々を過ごす会員たち(41)

(イメージ写真)

新型コロナウイルスの感染拡大が続き、立正佼成会ではさまざまな集いを控えています。こうした中、会員はどのような思いで過ごしているのでしょうか。それぞれの場で精進を重ね、サンガ(教えの仲間)と心をつないでいる会員の声を紹介します。今回は、江東教会会員と岡山教会主任です。

パラ五輪で学んだ利他の精神

江東教会会員(55歳、女性)

今年、私にとって大きな出来事がありました。東京オリンピック・パラリンピックでボランティアスタッフを務めたことです。普段、英語を使う職場で働いており、この経験を生かして、来日する選手たちの役に立ちたいと思って応募しました。

ただ、新型コロナウイルスの感染者が増えて大会の延期が決まった時は、辞退するか、迷いました。〈コロナ禍で苦しむ人がいるのに、大会を開催している場合だろうか〉と感じていたからで、胸の内を、同じくボランティアに登録していた大学生の息子に伝えました。すると、息子は「誰が選手たちをサポートするの?」と問いかけてきました。この一言で私は心が定まりました。自分に与えられた役割は、全て仏のはからいと受けとめ、予定通りに役を務めようと決意できたのです。

大会中、他のボランティアスタッフたちの献身に感動しました。パラリンピックマラソンのコース整理をした時、どの人も競技中はコースの安全を確保しながら笑顔で選手に拍手を送り、それだけでなく、終了後には自主的に周辺を見回し、ごみを拾ってから持ち場を離れるのです。「人さまのために」と願う皆の行動が競技を支えていたと感じ、心が震えました。

与えられた場所でそれぞれが自ら考えて行動することが大会の成功や目標の達成、さらには世界平和にも通じると思いました。学んだ利他の精神を、まずは家庭から、身近な地域から実践し、仲間と社会や国家へと広げられるよう精進していきます。

地区のサンガと心通わせ歩む

岡山教会主任(64歳、女性)

コロナ禍で自粛生活を余儀なくされている会員さんが寂しい思いをしているのではないかと感じ、昨年から仕事の休日に皆さんの家を回っています。

車の運転免許を持っていないので、自転車で一日かけて会員さんの家を訪ねます。感染防止のためマスクをつけて長居はせず、少しの時間ですが、皆さんの顔を見て話せることが有り難いです。

自宅から自転車で40分ほどの場所に住む高齢のご夫婦を訪ねると、いつも温かく出迎えてくださいます。誰とでも笑顔で触れ合い、生活の中で教えを実践される姿からは学ぶことばかりです。私は、同居されているお嫁さんとも親しくさせて頂き、ご夫婦が今年9月の教会発足60周年記念式典の配信映像を見られるようサポートをお願いすると快く引き受けてくださり、当日は家族で一緒に視聴してくださいました。

また、別の会員さんとは、記念式典の案内のはがきを送ったことで17年ぶりに連絡を取りました。彼女は3年前に心身のバランスを崩し、頼れる人も少ないとのこと。気持ちを聞かせて頂くうちに、少しずつ前向きになる姿を感じました。コロナ禍の中で、日常のご縁は変わりましたが、心を通わせられる一つ一つが尊く、感謝でいっぱいです。

振り返ると、人さまのためにこの身を使わせて頂けるのは、36年前に福山教会で入会し、右も左も分からない私に慈悲をかけ、温かな触れ合いを重ねてくださった先輩サンガのおかげさまです。そのご恩返しとして、これからも地区の皆さんと共に歩み続けていきます。