小川哲さんの『地図と拳』(集英社)は、旧満州(現在の中国東北部)を舞台に、日本が第二次世界大戦に突き進む中で生きる人々の姿を描いた新機軸の歴史小説だ。実在の人物はほぼ登場せず、仙桃城(シェンタオチョン)という架空の都市で物語は展開し、SFめいた知的な異空間を現出する。けれど、日中戦争を世界史の中で捉える大きな視点と、そこで生きる人々の個人史がかみ合って時代状況や時代性が見事に浮かび上がってくる。
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赤ちゃんが、ニコッと笑う。それだけで、周りの人を幸せにします。自分の子はもちろん、知らない赤ちゃんでさえ、自分の顔を見てニコニコしてくれると、何の下心もない無心の“笑い”にとろけるような幸せを感じ、つられて笑顔になります。人間は、生まれた時から他の人を幸せにする力があるのです。
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地域や社会、世界の「持続可能性」が叫ばれる背景にあるもの
さて、気づけば今年も3分の2が終わりました。この連載もそろそろ終わりを意識する時期に入ってきたと感じます。
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笑いながら運動すると脳は「楽しい」と錯覚
「まさか!」と思うような想定外のことが、現代社会では連続して起きています。
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「ラップバトル」をご存じだろうか。時々テレビで放送していることもある。「ラッパー同士が、即興のラップで相手を『ディス』り合う――つまり罵倒し合う」ものだ。宇野碧さんの『レペゼン母』(講談社)は、こんな若者文化を使った、笑えて泣ける家族小説になっている。2022年の小説現代長編新人賞を受賞したデビュー作である。
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中高年になると体のあちこちに脂肪がつき、健康診断の結果も思わしくなくなる。誰でも一度は「泳いでみようか……」という言葉が頭をよぎるのではないか。そんな時には篠田節子さんの『セカンドチャンス』(講談社)が超お薦めだ。
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相談機関とこども食堂――それぞれの強みを生かして誰もが暮らしやすい地域に
前回、こども食堂は「相談ありき」だと考えていた私の限界を超える取り組みだ、と書きました。その発明のすごさを素直に認め、その普及を後押しすることが、今の自分にできる最大の社会貢献だと感じています。
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今最も注目されている作家の一人が、新川帆立さんだ。「このミステリーがすごい!」大賞を受賞した『元彼の遺言状』で、 2021年にデビューしたばかり。同作は先ごろテレビドラマ化(フジテレビ系)され、新作『競争の番人』(講談社)は刊行を待ちかねたようにこの7月からドラマ(フジテレビ系)が始まる。
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貧困問題の限界を超える――「こども食堂」という発明
「どなたでもどうぞ」と、すべての人に開かれた形で運営されるこども食堂は、そこに行っても「あの人、大変なんだね」と言われないがゆえに、行くことが恥ずかしくならない、と前回書きました。それを信号機に例えて、「黄信号の人が青信号の顔をして行ける場所」とも言いました。
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映画の特殊効果に対する愛と、ものを作ることへのリスペクトと、女性が仕事で生きていくことへの共感がぎゅっと詰まっている。深緑野分(ふかみどり・のわき)さんの『スタッフロール』(文藝春秋)はそんな小説だ。舞台はニューヨーク、ロサンゼルスとロンドン、主人公はアメリカ人とイギリス人の女性2人。この設定にもかかわらず、一気に物語世界に引き込まれた。
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