すべての子どもたちを受け入れる「どなたでもどうぞ」の姿勢
貧困問題という社会の課題があることを世の中になんとか認めてもらいたかった私は、その実情を伝えるとき、できるだけ厳しい状態、過酷な状態、不遇な状態、悲惨な状態にある人を取り上げてきた、と前回書きました。そうでないと「怠け者の自業自得でしょ」と思っている人たちが納得してくれないからです。
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なかなか認められない貧困問題
前回、「みんなの中に大変な誰かを(さりげなく)包み込む」というこども食堂のアプローチは、自分からは相談に来ない人たちとの出会いを可能にした「発明」だという話をしました。そんなことを言っているのは日本中でたぶん私一人なのですが、私にとっては、それくらい大変な驚きでした。
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自分のやりたいことは何だろう。私にはどんな仕事が向いているのか。若い頃から我々はずっとそんなことを考えているのではないだろうか。角田光代さんの『タラント』(中央公論新社)は、「使命」「賜物(たまもの)」「才能」などの意味を持つ題名だ。主人公は、タラントとは何か、自分にタラントはあるのかと考え続ける。その姿は、しがない私たち自身に見えてくる。
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大変な誰かをさりげなく包み込む
「貧困の子どもにあなたができることは?」と聞かれたら、あまりないような気がするが、地域のにぎわいをつくりたい、そこからはじかれる子をなくしたい、ということなら、自分にもできることはあるような気がする――そんな人たちの思いを集めるようにして、こども食堂は広がっていきました。
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浅田次郎さんの『母の待つ里』(新潮社)は、本の装丁とタイトルを一見すると、いかにも郷愁を誘う。けれど、そう見せておいて、実はここに描かれるのは現代人(特に都会に住む)の空虚さと、地方と都会の格差だ。
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地域に根を張り続けて
2018年、全国のこども食堂の数を初めて集計した私たちは、驚くべき数字に出会いました。「2286」。全国から寄せられた「うちの県には、今これだけこども食堂があるよ」という数を足し上げていったらその数字になったのです。
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2020年『化け者心中』で小説野性時代新人賞を受賞してデビューした蝉谷めぐ実さんは、新たな時代小説の書き手として注目を集めた。その蝉谷さんの2作目『おんなの女房』(角川書店)が早くも刊行された。
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夜空の月を見て心慰められることもあれば、冴(さ)え冴(ざ)えとした月光は孤独や狂気をはらむように感じることもある。そんな月に触発され、『竹取物語』の昔から幾多の物語が生まれてきた。今また新たな物語が誕生した。小田雅久仁さんの『残月記』(双葉社)である。
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コロナ禍で見つけた大切なこと
2021年も残りわずかとなりました。
去年は未知のウイルスに見舞われる中、初の全国一斉休校、初の緊急事態宣言と、初めてづくしの一年でした。
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