ちょっと軽く、ストレッチしてみましょう(12)最終回 加瀬剛(スポーツトレーナー、佼成学園高アメフット部ヘッドトレーナー)
筋肉の縮め方
さて、「筋肉の伸ばし方(ストレッチ)はなんとなく分かるけど、縮め方と言われるとよく分からない」という人が大半ではないでしょうか。
では、首を例にとって説明しましょう。
右側に首を傾けながら“左側をゆっくり伸ばすようにする”と、首の左側の筋肉をストレッチしたことになります。左側の首の筋肉は伸ばされ、意外と気持ちが良いです。これが一般で認識されているストレッチなのですが、この動作だと左側の筋肉を必要以上に伸ばしてしまう危険性があります。
しかし、同じ動作をするにしても、“左側の首の筋肉を伸ばす”という意識ではなく、“右側の筋肉を縮める”という意識を持つと、左側の筋肉を「伸ばそう」という意識が無くなるため、必要以上に左側の筋肉が伸ばされません。
右側の筋肉を縮める、という意識を持つことで、左の筋肉が“無理なく”伸びるのです。これが本来のストレッチです。
つまり、ストレッチでは、該当する部位の“筋肉を伸ばそうとする”のではなく、該当部位と“反対側の筋肉を縮めよう”と意識して動作することが大切です。逆転の発想で体を動かしてあげれば良いのです。