講演録
誰も自殺に追い込まれることのない社会へ――地域のつながりが命を守る NPO法人「自殺対策支援センター ライフリンク」代表・清水康之氏
自殺は亡くなり方が衝撃的であるため、最期ばかりが注目されてしまいます。しかし、特別な人が特別な問題を抱えて、突然に自らの命を絶つのではありません。NPO法人「自殺対策支援センター ライフリンク」では、自殺で亡くなった方のご遺族から聴き取り調査をして、自殺の実態について分析しています。この結果から、人が自殺に至る、追い込まれるプロセスには一定の規則性があること、自殺で亡くなった方は平均四つの問題を抱えていたことが分かりました。
三句の法門から学ぶ 自分を磨き、幸せになるための心がけ 精神科医・名越康文氏
縁あって、私は仏教、とりわけ真言宗について学んでいます。その中で、約1500年前にまとめられ、大乗仏教の中心思想が記されている『大乗起信論』という論書に出合いました。大乗起信論には、それぞれの仕事を仏への道と心得て一生懸命にやれば、菩薩や如来になることができる、悟ることができると、高らかに宣言されています。
生み出す力の見つけ方 デザイナー、タレント・ドン小西氏
人生は山あり、谷あり。人間って大変ですよね。僕はデザイナーとして独立した当時、とにかくがむしゃらに働いていました。服を作って展示会を開くのだけれど、お金がない。
元気なうちに家族で話して「死」「葬儀」「ご縁」のこと 浄土宗心光院住職・戸松義晴師
私たちは「死」や「死ぬ時のこと」について話をするのを「縁起でもない」と言って嫌いますね。自分がいつかは死ぬということも忘れて日々暮らしています。ですが、この世に生まれた以上、私たちは必ず死ぬのです。生老病死とは人生そのもので、そのどれか一つを否定すれば、それは人生を否定するのと同じことになる。だから「死」から目を背けることなく、しっかりと見据えて生きていく。それが仏教の考え方です。
クラスター爆弾の被害をなくすために 『私のお金、私の責任』 地雷廃絶日本キャンペーン理事・目加田説子氏
皆さんは、自分が何げなくお金を預けている銀行、あるいは毎月納めている年金がどのように運用されているかご存じですか? 今日のテーマは、『私のお金、私の責任』です。金融機関に預けた私たちのお金が、どのように投融資され、世界の問題にどう影響しているのかを、「私たち一人ひとりの責任」という観点から考えてみたいと思います。
他の人に手を差し伸べてプラスポイント 落語家、僧侶・桂米裕氏
皆さんはこれまで、自分の人生を左右するような言葉に出合ったことがありますか。家族や恩師、または書物の中から、いろいろなタイミングで、〈あぁそうだ!〉と心が震えるような、感動的な言葉と出合ったことがあるでしょう。その時の思いは、今も皆さまにとって、光り輝き続けているでしょうか。一度それを振り返ってみるのも、これから歩む人生の方向を見定める上で大切なことではないかと思います。
相手に真摯に向き合い「素直」な心で「聴く」大切さ 宮城県知事・村井嘉浩氏
今から25年前、政治家になろうと決意した私は、パナソニックの創業者である松下幸之助さんが開いた「松下政経塾」に入塾しました。私が入った時にはすでに松下さんは亡くなられていましたが、生前は開祖さまととても親しい間柄にありました。
「終活」をテーマに 佼成霊園長・米多教郎氏
最近、「終活」という言葉を耳にする機会が増えたのではないでしょうか。「終活とは何か」と問い掛けますと、多くの方が「死ぬ準備」だと答えられます。しかし、その考えをぜひ変えて頂きたいと思います。