クラスター爆弾の被害をなくすために 『私のお金、私の責任』 地雷廃絶日本キャンペーン理事・目加田説子氏

浄土宗不動寺長専院で行われた「アーユス総会セミナー」での目加田氏の講演

皆さんは、自分が何げなくお金を預けている銀行、あるいは毎月納めている年金がどのように運用されているかご存じですか? 今日のテーマは、『私のお金、私の責任』です。金融機関に預けた私たちのお金が、どのように投融資され、世界の問題にどう影響しているのかを、「私たち一人ひとりの責任」という観点から考えてみたいと思います。

私が活動する地雷廃絶日本キャンペーン(JCBL)は、対人地雷に加え、それと同じ問題を引き起こしているクラスター爆弾の廃絶に取り組んでいます。

クラスター爆弾は「集束爆弾」と言われ、大きな爆弾の中に小さな子爆弾がたくさん詰められたものです。空中で子爆弾が散って広範囲に攻撃することを目的にしたこの爆弾は、兵士と一般市民を区別せず殺傷する無差別兵器です。

子爆弾は、着地の衝撃によって爆発するのですが、落下した場所が、雪や枯れ葉、木などで十分な衝撃を得られない場合に不発弾として残ってしまいます。設計上、2~3割が不発弾として残ると言われています。それを子供が手に取る、または、バイクが近くを通るといった衝撃で容易に爆発してしまい、市民に大きな被害をもたらすのです。

不発弾を拡散させるほか、除去は専門的な訓練を受けた人でも、困難と危険を伴います。紛争終結後も民間人に被害をもたらし、復興の妨げになっています。クラスター爆弾の被害は90%以上が市民です。文民を攻撃対象としてはならないとする国際法の人道原則に反する兵器であることから、NGOを中心に国際社会の中で製造や使用の禁止が訴えられてきました。

【次ページ:禁止条約が締結された現在も続く被害】