利害を超えて現代と向き合う――宗教の役割(38) 文・小林正弥(千葉大学大学院教授)

緊急事態宣言とオリンピック延期

4月7日、7都府県に新型コロナウイルス感染症について緊急事態宣言が発令された。戦後、未曾有の事態である。日本政府は3月に小中高校を休校にしたが、感染の拡大を阻止できなかった。

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障害者とそれを支える人々を描いた映画『インディペンデントリビング』(「佼成新聞」1面コラム「春秋雑記」から)

「自立(生活)とは、どこに住むか、いかに住むか、どうやって自分の生活をまかなうか、を選択する自由をいう」(世界初の障害者情報誌『リハビリテーション ギャゼット』より)。

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清水寺に伝わる「おもてなし」の心(3) 写真・文 大西英玄(北法相宗音羽山清水寺執事補)

吉岡秀人先生の話

「父と子と聖霊のみ名によってアーメン」。親に言われるがままカトリックのノートルダム学院小学校に入学し、給食の際に同級生と一緒に祈りを捧げていたことを、今は懐かしく思い出す。恥ずかしながら、生まれ育った自身の環境に抵抗感が強く、思えば自分の寺ではなく、この小学校での給食が、祈りの習慣の原点であったと感じる。

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TKWO――音楽とともにある人生♪ オーボエ・宮村和宏さん Vol.3

「良い芸術家」を追求していく過程で、今の自分が「『良い演奏者』から『良い音楽家』に脱皮している最中だったらいいなと思っています」と話す宮村和宏さん。最終回では、TKWOが今年、創立60周年を迎えるに際し、副コンサートマスターとしての抱負、さらに音楽につながる日々の過ごし方について聞いた。

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バチカンから見た世界(90) 文・宮平宏(本紙バチカン支局長)

イランのアーヤトッラーが教皇に親書 新型肺炎の世界的流行は人類友愛の時

イラン・コムにある国際大学「アルムスタファ」の学長であるアリレツァ・アラフィ師(アーヤトッラー=イスラーム・シーア派の高位指導者)はこのほど、ローマ教皇フランシスコに宛て親書を送った。新型コロナウイルスが世界に蔓延(まんえん)している状況にあって、「啓示宗教(ユダヤ教、キリスト教、イスラーム)の共同体は人類に奉仕していかなければならない」とのメッセージを寄せたものだ。

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