栄福の時代を目指して(2) 文・小林正弥(千葉大学大学院教授)
「栄福の時代」への日本政治
新連載の開始にあたって人文社会科学の全領域に射程を拡大したと述べたが、政治が人々の幸福に大きな影響を与えることは確かだ。そこで新連載の2回目には政治に焦点を当てようと思う。前の連載『利害を超えて現代と向き合う』ではこの主題に重点があり、時の政治の危機や問題点についての陰鬱(いんうつ)な内容が少なくなかった。でも新連載では、『栄福の時代を目指して』というタイトルにふさわしく、明るい調子(トーン)で書くことができる。急に行われた総選挙で政治状況に大激変が生じ、新しい時代が現れたからだ。
「開祖さま生誕会」庭野会長が法話 受け継いだ信仰のバトンを次世代へ(動画あり)
立正佼成会を創立した庭野日敬開祖の生誕を祝うとともに、その遺徳を偲(しの)び、世界平和の実現に向けて菩薩行実践の誓いを新たにする「開祖さま生誕会」が11月15日、大聖堂(東京・杉並区)をはじめ全国の教会で開催された。この日、大聖堂には会員約1500人が参列。当日の様子はインターネットでライブ配信(会員限定)された。
栄福の時代を目指して(1) 文・小林正弥(千葉大学大学院教授)
学問的エッセー――学問と芸術の架橋という夢
『利害を超えて現代と向き合う』の最終回に書いたように、8月の父逝去を契機に自分の人生の来し方行く末を省みたので、心機一転してタイトルを更新し、新しい内容も加えて執筆することになった。編集部が調べたところ、2017年3月以来、毎月連載してきた寄稿は90回に及んでおり、ちょうど良い区切りでもある。そこで今回は、〈総選挙が急に行われることになって政治についても書きたくはあるものの〉この新連載の内容について説明したい。
※総選挙に関しては、『利害を超えて現代と向き合う』の第81~84回などを参照
利害を超えて現代と向き合う――宗教の役割(90)最終回 文・小林正弥(千葉大学大学院教授)
四十九日と死後の審判
四十九日は故人を偲(しの)びつつ、その冥福を祈る期間である。宗教的発想ではたいてい、この世を超えた超越的世界があり、死者の魂は現世からその世界へと移行すると考えられている。日本の仏教や民間信仰では、この期間に死者たちは「中有(ちゅうう、中陰ともいう)」という状態にあり、冥土の旅をしていて、「十王」という10人の裁判官の審判を受けるとされている。“初七日”後の最初の裁判から始まって、七日ごとに七回裁判があり、14日目に三途(さんず)の川を渡る。その後、35日目には閻魔(えんま)大王の裁判があり、“四十九日”に最後の裁判が行われて、生前の行いに応じて極楽や地獄に行くとされている。いわゆる成仏のためのものだ。この成仏のために法要や供養、祈りに意味があるとされており、だからこそ、この期間は死者のための集中的な祈りの期間でもある。※第68回:葬儀における宗教的意味
利害を超えて現代と向き合う――宗教の役割(89) 文・小林正弥(千葉大学大学院教授)
死者とお盆
日本の民間信仰では、お盆には、縁のある死者が地上に戻ってきて、生きている人々と交流ができると信じられている。だから、日本人はこの時期にお墓参りをし、お供えをして、死者に対して祈る。この慣習は、今でもかなり受け継がれている(拙著『神社と政治』角川新書、2016年、第5章)。
新宗連青年会 第59回戦争犠牲者慰霊並びに平和祈願式典
8月14日、新日本宗教青年会連盟(新宗連青年会)主催の「第59回戦争犠牲者慰霊並びに平和祈願式典」(通称・8.14式典)が、東京・千代田区の国立千鳥ヶ淵戦没者墓苑で開催されました。新日本宗教団体連合会(新宗連)加盟教団の代表者ら約400人が参集。式典の模様は、インターネットを通じてライブ配信されました。
在留外国人のための「IBC Bon Gathering(お盆の集い)」 楽しみながら仏縁に触れる機会に
「Hello, everyone!」。司会者の活気ある声で開式したのは、「IBC Bon Gathering(お盆の集い)」だ。8月4日、普門メディアセンター(東京・杉並区)の一室に、英語を母国語とする外国人など60人が集まった。
利害を超えて現代と向き合う――宗教の役割(88) 文・小林正弥(千葉大学大学院教授)
東京都知事選におけるポピュリズムの勝利
東京都知事選は、小池百合子知事が圧勝した。当初は前参議院議員の蓮舫氏との与野党対決とみられていたが、実際には広島県安芸高田市の前市長・石丸伸二氏が2位で、3位となった蓮舫氏は惨敗と評されている。この選挙をどう考えるべきだろうか。
秋田教会発足60周年記念式典 錦戸新観師の弟子・須藤光昭仏師を招き、出会いの尊さを深める
今年、発足60周年を迎えた立正佼成会秋田教会は、『輝かそう自分らしさ。 つなげよう悦びの輪。』をスローガンに掲げ、教会を挙げて3通りの周年記念式典を企画した。その中で、6月15日には、総務スタッフと支部会計らを中心に、教会道場で2回目の記念式典が行われた。
利害を超えて現代と向き合う――宗教の役割(87) 文・小林正弥(千葉大学大学院教授)
政治的腐敗と政治的疑惑
自民党の提出した改正政治資金規正法が成立した(6月19日)。政策活動費の使途公開を10年後にするなどさまざまな点で不十分な法案であり、満足のいく政治改革とは言えず、政治的浄化が達成されるわけもない。