5年ぶりの「生誕地まつり」 秋空の「市中行進」で満面の笑みが咲き誇る(動画あり)

閉会式の「追い込み」で参加者は、感情を爆発させるようにマトイ、万灯を天高く振った

「第47回生誕地まつり」(主催・生誕地まつり実行委員会)が10月7、8の両日、庭野日敬開祖生誕の地である新潟・十日町市で開催された。台風と新型コロナウイルスの感染拡大による中止を経て5年ぶりの実施となり、2日間で市民や会員ら延べ3323人が集った。立正佼成会本部から庭野日鑛会長の名代として庭野皓司氏が出席したほか、國富敬二理事長はじめ多くの教団役職者が参加。「市中行進」では参加者に声援を送った。

「生誕地まつり」は、十日町市名誉市民である庭野開祖の功績を讃(たた)える市民や会員が集い、文化交流を深め、同市の振興・発展に寄与することが目的。同市観光協会、商工会議所、「庭野日敬師に学ぶ会」、本会十日町教会など20団体が実行委員会を組織する。

歓迎昼食会で、約半世紀にわたって生誕地まつりを開催してきた十日町の人々に感謝の思いを伝える國富理事長

7日、同まつりのオープニングセレモニーとして、十日町地域地場産業振興センター(道の駅「クロステン十日町」)大ホールで「歓迎昼食会」が行われた。この中で、柳一成同まつり実行委員会会長(同市観光協会代表理事)、関口芳史市長に続き、國富理事長があいさつ。生誕地まつりが5年ぶりに実施されることに感謝の意を表し、同まつりが約半世紀にわたって続いていることは、十日町の人々の寛容な心のおかげであると述べた。

また、縁ある人々の幸せを願い、行動することが、庭野開祖の願いであると所感を語り、「2日間、十日町の皆さまに喜んで頂けるような行動をとっていきたいと思います」と話した。

当日の様子(クリックして動画再生)

この後、十日町の文化や魅力を体験する「十日町ふるさと探訪」が催された。参加者は、地元で親しまれている「笹団子&ちまき作り」や庭野開祖ゆかりの地を巡る「菅沼求道ハイキング」、日本三大峡谷の一つとして知られる清津峡を見学する「今話題の清津峡トンネル」など六つのプランからそれぞれ選択し、地域に根付く伝統や文化、名所を堪能した。「星峠の棚田と美人林」に参加した長岡教会会員(70)は、「以前、テレビで星峠の棚田を見たことがあり、この景色を直接見たいと思って参加しました。実際の風景を目にすると、棚田の規模の大きさに驚きました。美人林もきれいで、空気が良かったです」と語った。

翌8日は午前11時から、国道117号本町1丁目の朝日堂前から本町3丁目交差点までの約500メートルを会場に「市中行進」が行われた。同まつり実行委員会のほか、本会から27教会が参加。マトイ、万灯行進のほか、神戸、奈良両教会による「サンバ」、木更津教会の「やっさいもっさい」、伊那教会の「ドラゴン踊り」、前橋教会の「だんべえ踊り」など各地域の郷土芸能やダンスを取り入れた活気ある行進が繰り広げられた。

おかめ市には、多くの屋台やキッチンカーが立ち並んだ

また、付近の通りでは、地元食や十日町の特産品などを販売する「ウェルカム屋台村」や「ふるさと広場」「おかめ市」「とおかまち特産市場」も催された。

午後1時半から始まった閉会式では、柳会長があいさつ。「5年ぶりの十日町、おかえりなさい」と歓迎の思いを表明し、全国から多くの会員が参集したことに謝意を述べた上で、今後も生誕地まつりを通じて本会と十日町の交流、関係が紡がれていくことに期待を寄せた。この後、花角英世新潟県知事(橋本憲次郎副知事代読)と関口市長の祝辞に続き、「追い込み」を実施。笛、鉦(かね)、太鼓のにぎやかな音色に合わせてマトイ、万灯が宙を舞い、華々しいフィナーレを迎えた。

生誕地まつりの期間中、多くの会員が菅沼を訪れ、庭野開祖の「ご生家」や「ご墓所」を参拝した

生誕地まつり

昭和46年頃、新潟・十日町市菅沼にある庭野開祖の生家に同市出身の本会幹部が参拝したのを機に、多くの会員が同地を訪れるようになった。その後、菅沼参拝として「お会式・万灯行進」が始まり、52年から市中で行われるようになった。62年からは十日町市民が支援を希望して同市役所内に実行委員会が設けられ、「生誕地まつり」に改称。市民と地域、本会が一体となって開催してきた。

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