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バチカンから見た世界(177) 文・宮平宏(本紙バチカン支局長)
-「平和の神学」を説き続けるレオ14世(6)-
同じキリスト教でありながら、トランプ大統領やプーチン大統領を支える神が勝つのか、それとも、ローマ教皇レオ14世が他の諸教会と結束して説く神が勝つのか——という論争は、聖アウグスティヌスが、崩壊していく西ローマ帝国の例を挙げながら示した「地上の国」の論理だ。キリスト教徒は、世界史の中で既に実在し、「地上の国」と同時進行する、永久の愛の国である「神の国」に心と眼を向けて、地上を巡礼していかなければならない。世界史が、いずれかは、神による愛の業(わざ)である宇宙創造の秩序である平和と、その中における人間の救いに向けて収束されていくからだ。
栄福の時代を目指して(18) 文・小林正弥(千葉大学大学院教授)
イラン先制攻撃による不法な戦争
イスラエルとアメリカが、2月28日にイランに先制攻撃を行い、極めて深刻な戦争が始まった。イランの宗教的な最高指導者アリー・ハメネイ師や政治家・軍人などの高官、要人たちが殺害されたのである。イラク戦争の時ですら「大量破壊兵器」(核兵器)製造に関する査察の結果や国連安全保障理事会決議という理由をアメリカは掲げていたのに、今回、トランプ大統領は核兵器開発やイランの攻撃準備について証拠すら示さず、いきなり攻撃してイランの体制転覆を呼びかけた。
食から見た現代(25) 支援の入口として――配食支援プロジェクト 文・石井光太(作家)
こども家庭庁によれば、現在の日本では中高生の約17人に1人が「ヤングケアラー」に相当するという。(令和2年度調査)
バチカンから見た世界(176) 文・宮平宏(本紙バチカン支局長)
-「平和の神学」を説き続けるレオ14世(5)-
ローマ教皇レオ14世は、バチカンでさまざまなグループと謁見(えっけん)してスピーチする際、「あなたたちに平和がありますように」というあいさつで始めることが多くなった。復活したキリストが、彼の十字架上の死に戸惑い狼狽(ろうばい)している弟子たちに向かって発した最初の言葉で、そのうちにキリスト教の教えが凝縮されているからだ。「平和」は、神の愛による宇宙と人間の創造の業(わざ)によって定められた秩序といえる。だから、人間のみの力で世界平和を構築しようとする「神不在の世界平和」を強く糾弾する。世界平和は、まず「神からの恵み」なのだ。
内藤麻里子の文芸観察(78)
独自の世界観で歌舞伎を描いた『化け者心中』(2020年刊)、『おんなの女房』(22年刊)などで注目されてきた蝉谷めぐ実さんが、新機軸に挑んだ。それが『見えるか保己一(ほきいち)』(KADOKAWA)である。江戸時代後期、古今の貴重な文献を集めて分類、収録した国内最大の叢書(そうしょ)『群書類従』を編纂(へんさん)した全盲の国学者、塙保己一を題材にして、また独特な世界を現出させた。その書きっぷりに心底驚き、魅了された。
リレーエッセイ「声なき“生きづらさ”に寄り添う」1-(1)(認定NPO法人ロージーベル代表 大沼えり子)
「生きづらさ」への理解と優しさの扉
認定NPO法人ロージーベル理事長 大沼えり子
うまれてきて ごめんなさい
おかあさん
ぼく
うまれてきてごめんなさい
おかあさん
ぼくは いらないんだね









