新型コロナウイルスへの対応の中で 教えを支えに日々を過ごす会員たち(25)

国内で新型コロナウイルスの感染拡大が続き、立正佼成会ではさまざまな集いを控えています。こうした中、会員はどのような思いで過ごしているのでしょうか。それぞれの場で精進を重ね、サンガ(教えの仲間)と心をつないでいる会員の声を紹介します。今回は、三鷹教会会員、中津川教会主任です。

夫婦で歩んだ信仰の道 振り返り

三鷹教会会員(82歳・男性)

昨年9月に妻を亡くし、それからというもの、気持ちが沈みがちになりました。先日も、支部長さんが寒修行の案内を送ってくださり、大聖堂の動画配信のことも教えて頂いたのですが、参加する気になれませんでした。

そのまま2日が過ぎ、青年部員さんからも電話を頂きました。「夜間に青年部を中心にオンラインで寒修行を行っているので、よければ参加しませんか」。そう声をかけてくれたのです。

〈皆さんにここまで気にかけて頂いているのだから〉と気持ちが動きました。ちょうど娘が帰省していたので、スマートフォンの操作を手伝ってもらい、寒修行3日目から参加させて頂きました。

思えば私の信仰は、結婚後、信仰に熱心な妻に誘われて寒修行に参加し、見よう見まねで『法華三部経』を読誦(どくじゅ)したことから始まったのです。その後も、寒修行には夫婦で参加しました。

今年は妻がいない初めての寒修行でしたが、隣に妻の写真を置いて読誦すると、妻と一緒にいるようでした。夫婦で信仰の道を歩んできたことが懐かしく思い出され、穏やかな気持ちになりました。

今年も寒修行を終えることができたのは、多くの方のおかげさまです。振り返れば、妻を介護していた時も、壮年部の仲間に助けてもらいました。サンガの支えに改めて感謝の思いが湧き、恩返しできるようにと願っています。妻を思いながら、今、少しずつ前を向いていこうとしています。

映像から伝わる寒修行の一体感

中津川教会主任(81歳・女性)

今年の寒修行は中津川教会でも、各家庭で行うことになりました。わが家では朝6時前に、スマートフォンをご宝前の経机に立てかけて大聖堂の映像を見ながら、導師の声に合わせて夫婦で『法華三部経』を読誦させて頂きました。スマホは、コロナ禍の中で外出を控えてサンガとの触れ合いもできない私を心配して、昨春に息子夫婦がプレゼントしてくれたものです。

読経中、画面に目をやると、大聖堂の寒修行の緊張感が伝わってきて、三部経を持つ手に力が入りました。それだけではありません。私と同じように、自宅で映像を見ながら読誦しているサンガが全国にいると思うと、一体感を感じられ、うれしくなりました。

14日間の寒修行を終えて、私はそうした感想を夫に伝えました。すると夫も、大聖堂の雰囲気を感じながらの読経が刺激的だったようで、「82歳の俺でも、新鮮な気持ちで寒修行に臨めて有り難かった」と話していました。

私たち夫婦は昭和35年に結婚して以来毎日、夫婦でご供養をしています。その中でも今年は、映像に合わせて読誦することに初めて挑戦し、忘れられない寒修行になりました。

一日の感染者数は減ってきましたが、コロナ禍が終息する見通しは立っていません。不安になりますが、これまで通り毎日、夫と共にご宝前に手を合わせて、皆が心穏やかに過ごせる日が早く訪れることを念じたいと思います。