特集・庭野平和財団設立40周年(1) 宗教的精神を基盤とした平和活動を支えて

貧困の撲滅に向けた「南アジアプログラム」では、農村部の女性などを支援

1979年に始まった「公募助成」のうち、NGOやNPO法人に助成する「活動助成」は、現在までに730件の事業を採択。2005年まで継続された「研究助成」も、478件に上った。

活動助成の初期は、インドシナ難民の救済に取り組む「曹洞宗ボランティア会」(現・シャンティ国際ボランティア会)や、「シャプラニール=市民による海外協力の会」などの国際協力団体を支援。その後、人権擁護、環境保護、開発協力など、社会や時代のニーズに即し幅広い分野の取り組みを助成してきた。さらに02年からは、「地域で展開される草の根活動」も助成の対象とし、国内のローカル課題にも焦点を当てている。

本会一食平和基金の「指定寄附による助成」では、04年から13年までの10年間、インド、バングラデシュ、スリランカで「南アジアプログラム」を実施。各国に現地諮問委員会を設置するとともに、同財団スタッフや日本の専門家が現地調査を行いながら、現地のNGO関係者や村の指導者と連携して『貧困の撲滅』に向けた29のプロジェクトを展開した。コミュニティーリーダーの育成や地域開発に成果が見られたほか、事後の検証も綿密になされ、この分野の関係者から評価を得た。

過去20年間の助成事業の推移を分析

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設立40周年を迎えた今年、同財団は1998年から2017年まで20年間の助成事業の内訳や推移を分析。これによると、公募の「活動助成」先394件のうち、最も多い分野が「教育」で、64件(16%)に上った。その中身は、貧困地域での初等教育をはじめ平和教育、環境意識を高める森林教育の実施など多岐にわたった。2番目に、「人権擁護」(40件、10%)が多く、「宗教協力・対話」「医療・保健衛生」と続いた。

 

 

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