特集・庭野平和財団設立40周年(2) 助成財団センター理事長の山岡氏に聞く

助成財団センターの山岡理事長

立正佼成会の平和活動の一環として設立された公益財団法人・庭野平和財団(NPF)が12月5日、40周年を迎えた。『日本の財団―その系譜と展望』(中公新書)などの著者である公益財団法人・助成財団センター(JFC)理事長の山岡義典氏に、庭野平和財団の果たしてきた役割と期待について聞いた。

庭野平和財団設立40周年に寄せて
助成財団センター理事長 山岡義典氏

「ユニーク」な助成活動

民間の助成財団の最も重要な任務の一つは、社会で、まだそれほど評価されていない、マイナーだけれども、今後重要になりそうな新しい“兆し”を見つけ、その取り組みを応援することです。僕らは、これを「兆しを読む」という言い方をします。社会を新しい価値観で捉え、その目的に向かって歩んでいる団体を発掘し、育てる役割が助成財団にはあるのです。

未来を見据えたこうした助成事業のほかに、過去の実績を評価して表彰することも、財団のもう一つの大きな事業です。かつては兆しでしかなかったものを発展させ、新しい潮流をつくり出した人を讃(たた)えることは、次の世代に大きな勇気を与えることになります。そのことによって社会を刺激します。

今年の「第35回庭野平和賞」贈呈式。庭野日鑛名誉会長(左)から受賞団体のアディアン財団に賞状が贈られた

庭野平和財団は1978年に設立されました。当時、日本の経済が安定して成長している時期で、さまざまな財団が新たに誕生していました。その中で、庭野平和財団の活動助成は大変「ユニーク」と言えるものでした。

日本の財団は、主に基礎科学などの研究に対して助成を行っていました。それから、福祉や文化芸術、環境保護などへの助成が徐々に行われ始めた頃、庭野平和財団は、日本ではそれほど馴染(なじ)みのなかった「活動助成」に取り組み、設立間もない若者たちの海外協力団体などへの助成を始めたのです。まさに“兆しを読んだもの”で、これには驚きました。当時トヨタ財団に所属していた僕は、「なかなか勇気がある財団が出てきたな」と思った記憶があります。

その後も一般公募の助成だけでなく、計画型の助成にもかなり思い切って取り組んでこられました。公募の助成とは、応募してきた団体の企画書を見て支援を決めるものです。これに対して、計画型の助成は相手の団体と対話しながら内容を練り上げるというプロセスを踏みます。ですから、より良い企画をつくり上げることができるのです。庭野平和財団はこうしたことに力を注ぎ、「宗教的精神」のもと、財団活動の新たなモデルをつくってこられたように思います。

【次ページ:平和の文化を醸成し続け】