特集・庭野平和財団設立40周年(1) 宗教的精神を基盤とした平和活動を支えて

第1回庭野平和賞を受賞したヘルダー・ペソア・カマラ大司教(右)と、庭野日敬総裁

立正佼成会の平和活動の一環として設立された公益財団法人・庭野平和財団(NPF)が12月5日、40周年を迎えた。これまで、宗教的精神を基盤とし、国内外の平和・社会活動を広く支援してきた。今年、節目を迎え、従来の助成事業を分析。時代の変化や世界、社会の現状を踏まえ、今後の助成活動に生かすための検証を重ねた。事業を広く知ってもらうため、ウェブサイトもリニューアルした。40年の歩みを紹介する。

「宗教協力助成」を含め 24億1936万円拠出

庭野平和財団は1978年、「宗教的精神を基盤にした平和のための思想、文化、科学、教育等に係る活動及び研究の発展を促し、世界平和の実現と人類文化の高揚に寄与する」ことを目的に、教団創立40周年記念事業として設立された。初代総裁を務めた庭野日敬開祖は、翌年の設立記念講演会で、「多勢の方たちの集まった善意を結集させ、平和のために役立つことに息長くお役に立ちたい、という発想で結成されたもの」と設立の主旨を語っている。

当初は、世界宗教者平和会議(WCRP/RfP)や国際自由宗教連盟(IARF)など、特定の宗教の枠を超えた諸宗教間対話・協力活動への支援に注力した。加えて、平和・社会活動や研究に対する助成、シンポジウムの開催、宗教者や平和活動家の国際交流を積極的に進めた。83年には、「庭野平和賞」を創設し、毎年、宗教協力を通じた平和活動に貢献した個人や団体を顕彰してきた。

同財団の大きな取り組みの一つは助成事業で、2009年に終了した「宗教協力助成」を含め、これまで、24億1936万円を拠出。現在は、助成先を公に募る「公募」、独自のアプローチで助成先を見つけて活動や研究を支援する「非公募(NPFプログラム、臨時助成)」、本会一食(いちじき)平和基金などから寄附の内容を指定されて助成する「指定寄附による助成」の三つのカテゴリーがある。

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