平和こそ生活の原点 日本国憲法Q&A(6)――日本の安全は、軍事力でしか守れない?

そもそも、国土が狭く、島国である日本は、相手の攻撃に耐えて反撃できる環境にないと言われています。資源が乏しく、貿易で成り立っている国の仕組みから考えても、戦争を起こしてしまえば、積み上げてきた日本のすべてが失われるのです。

平和を築くためには相当な努力が必要であり、さまざまな状況に直面する中で、私たちは「のほほん」としていてはいけないことは確かです。しかし、「強い姿勢」が「武力で対抗すること」であってはならないし、「危機意識」が「対決姿勢を示すこと」であってはなりません。

すべてのいのちが尊重される世界に生きてこそ、私たちは心の底から安心し、平和な人生を過ごすことができます。さまざまな武器が存在するために平和が脅かされているという「危機意識」を持ち、すべてのいのちが尊重される世界を実現するために、一切の暴力を認めないという「強い姿勢」を示さなければなりません。

世界には、貧困や差別などに苦しみ、将来の見通しの立たない閉塞(へいそく)感の中で暮らしている人々が数多くいます。そうした問題がテロや暴力を生み出す温床になっていると言われています。さらに、厳しい環境下にある人々を取り込み、暴力的な手段を使って自らの利益を確保しようとする組織が存在するのも事実です。だからこそ、平和を築いていくためには、あらゆる国々と信頼を育むとともに、テロが起きる原因に目を向け、国際紛争そのものをなくしていく努力が求められるのです。

平和憲法を持ち、第二次世界大戦終結以降、一度たりとも戦争をしていないという事実を踏まえれば、日本は今以上に紛争解決に主導的な役割を果たし、国際的な「信頼の釀成」に尽くしていけるのではないでしょうか。

また、草の根の人々や民間の組織による交流や支援は、平和の実現に欠かすことができません。これまで続けてきた宗教間の対話・協力による取り組みや、国際支援などをさらに進め、戦争や紛争で苦しむ現地の人々のニーズや願いにかなう活動を進めていくことが重要です。