平和こそ生活の原点 日本国憲法Q&A(5)――日本国憲法の平和主義は特別な考え方?

日本国憲法の平和主義に対しては、「理想にすぎない」「非現実的だ」という声が聞かれます。しかし、果たしてそうでしょうか。

日本の平和主義が世界に広まることを望んでいる人々は、世界中にたくさんいます。例えば、1999年にはオランダのハーグで、世界から1万人の市民が参加し、さらに国連のアナン事務総長(当時)、各国の政府代表も加わって「ハーグ平和アピール」会議が開催されました。会議では、「公正な世界秩序のための基本十原則」が発表され、その第一項に「各国議会は、日本国憲法第9条のような、政府が戦争をすることを禁止する決議を採択すべきである」と記されました。

諸外国の憲法の中にも、例えばイタリア共和国憲法など、日本と同じく平和主義の考え方に立つものも多くあります。また、実際に戦力を持たない国も少なくありません。

日本国憲法の平和主義は、決して理想などではなく、平和を願う世界の人々にとって戦争を禁止する現実的な手段であり、人類にとっての希望なのです。

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