ミンダナオに吹く風(20) 野山を駆け回るピックアップトラック 写真・文 松居友(ミンダナオ子ども図書館代表)
野山を駆け回るピックアップトラック
ダバオ国際空港に降り立った訪問者たちは、スタッフに導かれて、「ミンダナオ子ども図書館」の所有する2台のピックアップトラックに分乗した。1台は日産のナバラ、もう1台はトヨタのハイラックス。いずれも四輪駆動車だ。
それを見て、訪問者は言った。
「こんな車で、走り回っておられるんですね。四人乗りの四輪駆動トラックは、今はもう、日本では生産されていませんよ」
荷物を担いで荷台に載せながら、私は答えた。
「そうなんですか。でも、私たちは普段、ジャングルを抜けたり、橋のない石だらけの川をジャブジャブと駆け抜けたり、ほとんどが、道なき道を抜けていく、サバイバルゲームなんですよ。だから、活動地域を回るのに四駆トラックで、しかも、車高はできるだけ高く上げて、タイヤも大型で、彫りの深いものを履かせているんです。『ゆめポッケ』を載せるなど、積み荷が多い時には、立正佼成会さんから寄贈して頂いた、四輪駆動の大型トラックのエルフも活躍していますよ!」
そう言うと、「お役に立てて、良かったです」との言葉が返ってきた。
私は、「でも、時には車も登れないような集落にまで、『ゆめポッケ』を、担ぎ上げなけばならない時もあって。そんな時には、馬や水牛の背中に載せて山道を登って行くんです」と話した。
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