学林四科合同のつどい シーク教の世界を学ぶ

つどいの当日は、英国を拠点とするシーク教の指導者、モヒンダー師とラヴィンダー師を特別講師に招へいした(写真は全てZoomの画面)

立正佼成会の学林生が世界の宗教指導者と対話し、平和と諸宗教協力の最前線に触れる「令和8年学林四科合同のつどい」が6月19日、『シーク教の世界――赦(ゆる)し・和解・平和のための諸宗教協力』をテーマにオンラインで開催された。学林大樹生、蓮澍・海潮音科生、芳澍女学院情報国際専門学校生、光澍生ら62人が参加した

当日は、世界宗教者平和会議(WCRP/RfP)国際委員会の共同会長を務め、欧州宗教指導者評議会の創設に携わるなど、宗教間対話の推進に長年尽力している英国のシーク教指導者、バイ・サーヒブ・モヒンダー・シン師と、欧州で女性信仰者のネットワークを組織し、多様な社会課題の解決に取り組む英国のラヴィンダー・カウル・ニジャール師を特別講師に招へいした。

ラヴィンダー師

最初に講演したラヴィンダー師は、シーク教では「全ての人間は唯一の創造主によって平等に創られた」と考え、宗教、性別、貧富などを問わず、誰もが神の恵みを受けられると教えられていると解説した。歴代のグル(指導者)の教えと聖典に沿い、政治の腐敗やカースト差別、女性の不当な扱いといった社会の不正に異議を唱えてきた歴史を紹介し、人間の平等と尊厳を守りながら、人々への奉仕を日常生活で実践していくことを説く宗教だと説明した。

また、宗教間対話の理念は、15世紀のシーク教成立当初から信仰の土台に据えられてきたと強調。ジェンダーに基づく暴力や気候変動といった現代社会の課題は、人と人をつなぐ架け橋となる「信仰の力」なしには解決できないと述べ、「私たちが共に歩み、公正で調和に満ちた平和な世界の実現に向けて力を合わせられますようにと祈っています」と語った。

モヒンダー師

続いて講演したモヒンダー師は、シーク教の説く生き方とは「賢明で、思いやりと責任感のあるリーダーシップへと至る道筋」と説明。自我(エゴ)に支配された欲望や執着から心を解放し、神によって世界と全ての生命が一つに結ばれていると自覚することが大切だと伝えた。

そして、「赦し」とは不正を容認することではなく、さらなる苦しみを生む復讐(ふくしゅう)心を手放すことであり、他者との和解も自らの内面の変化から始まると説示。シーク教の核心は「全ては一つである」という教えにあり、人類は一つの家族として互いにつながり合っているとの認識が、持続可能な平和の実現に必要だと述べた。

学林生と講師2人の対話が行われた

講演の後には、学林生と講師2人による対話が行われた。大樹61期生の小柳津陽加さん(27)=知多教会=は、「自分の理想と現実に矛盾を感じる時、どう向き合えばよいか」と質問。これに対しモヒンダー師は、私たちは慈悲や思いやりなどの美徳と、欲望や執着といった悪徳を併せ持つと語った上で、聖典の言葉を「神のアドバイス」として読み、人と触れ合いながら教えを実践していけば、悪徳をコントロールできるようになり、志を成し遂げる道が開けると応答した。

最後に、杉野恭一学林学長が謝辞。仏教とシーク教は、他者の幸福や社会の善、世界平和のために生きる願いが共通していると述べ、「自らの可能性を信じ、他者の仏性を敬いながら、それぞれの使命の道を歩んでください」と参加者に語りかけた。