平教会 誓願や実践目標を記して 教会とサンガつなぐ 真心のはがき

教会に寄せられたはがきには、会員それぞれの誓願や信仰の喜びが記されている(写真は全て、平教会提供)

教会とサンガ(教えの仲間)をつなぐ“真心のはがき”――。新型コロナウイルスの感染拡大を受けて教会参拝が控えられる中、立正佼成会平教会では先ごろ、会員たちが今年の誓願などをはがきに記して教会に送る取り組みが行われた。はがきを受け取った髙橋秀典教会長は、それぞれに感謝や励ましの言葉を添えて返信。会員たちは、自らの誓願と髙橋教会長の言葉を指針として、日々の修行に励んでいる。

同教会では毎年、「寒中読誦(どくじゅ)修行」(寒修行)期間中に会員たちが一年の誓願を立て、用紙に記入して教会のご宝前に奉納してきた。今年は、同ウイルスの感染予防対策として、寒修行が各家庭での実施となったことを受け、教務部が中心となり、誓願奉納の方法を検討した。その中では、コロナ禍にあっても、教会の「ご本尊」を心の依りどころとしてきた会員たちの思いを大切にする方針が確認された。そして決まったのが、会員に往復はがきを送り、寒修行中のエピソードや今年の誓願を返信用はがきに記して、教会に送ってもらう取り組みだ。

寒修行が明けた後、会員から132通の返信が寄せられた。「初めて自宅でさせて頂きました。夫婦二人だけで、新鮮な気持ちで臨むことができました」「これからも自己を磨くため、三部経読誦を続けていきます」など、それぞれのはがきに、寒修行を通しての喜びや、今年の意気込みがつづられていた。昨年12月に赴任した髙橋教会長は、サンガが集えない状況だからこそ、はがきを通して会員との絆を深めたいと願い、一人ひとりに返信のはがきを送った。文面には、庭野日鑛会長の法話からの学びや、会員と共に大事にしたい精進の目標、励ましの言葉などがつづられていた。

髙橋教会長は会員一人ひとりに心を配り、手書きの返事を送った

主任(70)は、「教会に集えない中で、はがきが届き、とてもうれしかったです。『家族に優しく』といった誓願を立てることができ、加えて、それに対して教会長さんから心温まる言葉を頂いて、有り難い気持ちになりました」と目を細める。

男性会員(67)は、東日本大震災で、車ごと津波に流されたが、奇跡的に助かった。以来、生かされていることへの感謝を胸に、「人さまのために考え、行動する」を人生の目標にしてきた。「今回、その目標をはがきに書くことで、人さまに喜んで頂ける生き方をさせて頂こうと、改めて心に刻むことができました」と語った。

髙橋教会長は、「コロナ禍の現在、会員さんと直接お会いできない状況が続いていますが、はがきを通じて心を通わせることができます。皆さんが今、どんな気持ちで、どんな実践をされているのかを知ることもできました。私も皆さんと一緒に修行させて頂きたいという気持ちが一層高まりました」と話した。