国の違いを超え、共に未来を築くために 「My TEDORI,My AFRICA チャレンジ!!」キックオフ

サンビアの青年の夢をかなえるため、吉田氏は全国各地で支援を呼びかけた

次いで、「キックオフトーク」が行われ、アフリカ日本協議会国際保健部門ディレクターの稲場雅紀氏と「夢をつなげるメッセンジャー」の吉田夏江氏が講演に立った。

この中で稲場氏は、近年、アフリカの経済成長ばかりが注目され、貧困や紛争といった社会問題が軽視されている傾向があると指摘。「以前より状況は改善してきているが、支援の必要性がなくなったわけではない」と述べた。さらに、マラウイにおけるHIV/エイズの現状に言及し、「エイズや貧困などさまざまな課題と闘うアフリカの人々を支えるのが、今、私たちに必要なこと」と訴えた。

また、吉田氏は、ザンビアで柔道に励む青年と出会い、「日本の柔道に触れたい」という彼の情熱にほだされ、夢をかなえるため日本全国を自転車で旅しながら、各地で支援を呼び掛けた体験を詳述。「彼の夢を多くの人に応援してもらいたいと願い、一人ひとりとつながりながら援助をお願いしました。5月にはまた自転車で日本全国を旅する予定です。これからも彼を応援しつつ、各地で支援に対する感謝の思いを伝えていきたい」と、夢を実現させる行動の大切さを語った。

マラウイから参加者にメッセージを送る聖エジディオ共同体のルンギ氏

このほか、マラウイを訪問中の聖エジディオ共同体マラウイ事業コーディネーターのロベルト・ルンギ氏とインターネット中継をつないで対話し、アフリカなどで支援活動を行っている認定NPO法人「テラ・ルネッサンス」創設者で理事の鬼丸昌也氏のビデオメッセージが上映された。

来場者の一人で、6年前に初めてアフリカを訪れた男性(35)は、「現地ではたくさんの人に助けてもらいました。今はアフリカの人々が自立できるよう、ビジネスを通じて関わりを持ちながら、ブログで現地の情報を発信しています。今回のプロジェクトにも協力していきたい」と語った。また、本会仙台教会の男性(22)は、「出生届がないことで少年兵になる危険性が高まると知り、とても驚きました。今の自分にできることは多くはないかもしれませんが、身近なところでできるアフリカ支援をしていきます」と述べた。

なお、プロジェクトの目的や活動の詳細は公式ウェブサイトで閲覧できる。
https://www.tedori.org/

聖エジディオ共同体

社会的弱者への奉仕活動と諸宗教対話の促進に努めるカトリックの在家運動体。1986年、ローマ教皇ヨハネ・パウロ二世の呼び掛けによりイタリア・アッシジで「世界平和祈願の日」の集いが開かれた。聖エジディオ共同体はその精神を引き継ぎ、翌年から毎年、「世界宗教者平和のための祈りの集い」を欧州各地で開催。99年に「第16回庭野平和賞」を受賞した。その後、本会との連携が進み、これまで「アフリカへ毛布をおくる運動」や一食平和基金の支援事業を共同で展開してきた。