国の違いを超え、共に未来を築くために 「My TEDORI,My AFRICA チャレンジ!!」キックオフ

サハラ以南のアフリカでは、多くの国が貧困問題を抱えている。同地域の貧困問題を解決する一助にと、立正佼成会と聖エジディオ共同体(本部・ローマ)は昨年にプロジェクト「My TEDORI,My AFRICA チャレンジ!!」を立ち上げ、そのキックオフイベントが3月21日、東京・千代田区のEDITORY神保町イベントラウンジで開催された。本会会員や市民ら約60人が参加した。

同プロジェクトでは当面、最貧国の一つであるマラウイで苦しい生活を送る人々とつながり、共に未来を築いていく取り組みが進められる。具体的には、聖エジディオ共同体が同国バラカ県で行っている出生届の提出を促進する「BRAVO!(Birth Registration for All Versus Oblivion)」プログラムと、HIV/エイズの治療を普及させる「DREAM(Disease Relief through Excellent and Advanced Means)」プログラムに本会が参画し、日本で市民の協力や賛同の輪を広げながら、問題の解決を図っていくことが目標だ。

マラウイでは出生登録の仕組みはあるものの、出生登録者は約10%と低い。出生に関する公的な証明を持たない子供は、社会に“存在していない”こととして扱われるため、教育や社会保障を受けられず、時には人身取引や臓器売買の対象とされ、中には少年兵にさせられることもある。

一方、同国のHIV陽性者やエイズ患者は約98万人に上り、成人(15~49歳)の有病率は9.1%。エイズは継続的な治療により発症を抑えることができるようになったが、一人当たり年間100ユーロの治療費がかかるため、病状が改善すると途中で服薬をやめてしまうケースが少なくない。

キックオフイベントでは、同プロジェクトメンバーである本会の篠原祥哲主幹が昨年のマラウイでの視察を基に、プロジェクト名に込められた願いや同国の現状を説明。聖エジディオ共同体が行っている「BRAVO!」「DREAM」両プログラムのこれまでの活動と成果なども紹介した。

その上で、プロジェクトの推進には、関わる人々の主体的な姿勢と連帯感が重要になるため、「BRAVO!」の活動資金は、賛同者からのクラウドファンディングによって募ると説明。また、「DREAM」は、昨年開設した公式ウェブサイトに支援の口座を記して協力を呼び掛けていくと語り、「継続的な支援には、支援者一人ひとりが『私がこの人の友になり、支え励ましている』という顔の見えるつながりが必要」と話した。

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