ライフ

「時代」の声を伝えて――文学がとらえた80年(9) 文・黒古一夫(文芸評論家)

安定成長期にあって「途方に暮れる」僕たち

1960年代の半ばから順調に進展してきた高度経済成長も、70年代に入ると安定成長期に入る。そんな70年代は、半年余りで6421万人余りを集めた日本万国博覧会(大阪万博 1970年3月15日~9月13日)と、同じ年の11月25日に起こった、ノーベル文学賞候補・三島由紀夫が自衛隊市ヶ谷駐屯地(現・防衛省本省)で衝撃的な自刃(割腹自殺)を遂げた「三島事件」で始まった。この二つの事実は、70年代がどのような様相を呈するものになったかを如実に物語っていた。

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TKWO――音楽とともにある人生♪ ピッコロ・丸田悠太さん Vol.1

日本トップレベルの吹奏楽団として知られる東京佼成ウインドオーケストラ(TKWO)。演奏会をはじめ、ラジオやテレビ出演など、多方面で活躍する。また長年、全日本吹奏楽コンクールの課題曲の参考演奏を行っていることから、特にコンクールを目指す中学生・高校生の憧れの存在でもある。今企画の9人目に登場するのは、ピッコロ奏者の丸田悠太さん。音楽との出合いから、プロの演奏家を目指すきっかけを紹介する。

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ちょっと軽く、ストレッチしてみましょう(1.ストレッチ) 加瀬剛(スポーツトレーナー、佼成学園高アメフット部ヘッドトレーナー)

体幹を鍛えることで当たり負けない体をつくる、をモットーに、佼成学園高校アメリカンフットボール部「ロータス」の全国大会3連覇に貢献したスポーツトレーナー加瀬剛氏。日頃は、接骨院の院長として、一般の人々のケアにも当たっている。体の構造を知り、毎日をしなやかに過ごすにはどうすればいいか――体の専門家として、今回からアドバイスしていく。

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「時代」の声を伝えて――文学がとらえた80年(8) 文・黒古一夫(文芸評論家)

ベトナム戦争と高度経済成長の「闇」

戦後の経済史が私たちに教えてくれるのは、日本が朝鮮戦争の特需によって戦後復興を軌道に乗せたことである。さらに、1964年の東京オリンピックに向けた開発と60年代に入って激化したベトナム戦争の特需によって高度経済成長を成功させ、戦前には考えられないような「豊かな生活」を人々が享受するようになった、ということである。

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TKWO――音楽とともにある人生♪ アルトサクソフォン・林田祐和さん Vol.3

TKWOのコンサートマスター・田中靖人さんと師弟関係にある林田祐和さん。第3回となる今回は、田中さんとの出会いや自身の趣味であるカメラと音楽の共通点について聴いた。

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TKWO――音楽とともにある人生♪ アルトサクソフォン・林田祐和さん Vol.2

サクソフォンを始めたきっかけは、楽器の見た目、「格好良さ」だったと林田祐和さんは話した。今回は、サクソフォンの魅力やあるテレビ番組でのエピソードを紹介する。

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「時代」の声を伝えて――文学がとらえた80年(7) 文・黒古一夫(文芸評論家)

施政権返還前(占領下)の沖縄

私たちが忘れてならないのは、アジア太平洋戦争(第二次世界大戦)が終わって日本は「平和国家」として再出発したが、世界の各地では、大戦後のアメリカとソ連の対立による東西冷戦構造を反映した、さまざまな戦争が起こっていたということである。

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TKWO――音楽とともにある人生♪ アルトサクソフォン・林田祐和さん Vol.1

日本トップレベルの吹奏楽団として知られる東京佼成ウインドオーケストラ(TKWO)。演奏会をはじめ、ラジオやテレビ出演など、多方面で活躍する。また長年、全日本吹奏楽コンクールの課題曲の参考演奏を行っていることから、特にコンクールを目指す中学生・高校生の憧れの存在でもある。今企画の8人目に登場するのは、アルトサクソフォン奏者の林田祐和さん。今回は、サクソフォンを選んだ理由や音楽の世界で生きていこうと思ったきっかけを紹介する。

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「時代」の声を伝えて――文学がとらえた80年(6) 文・黒古一夫(文芸評論家)

戦争の「本質」に迫る

1950年代の日本社会と文学との関係を考える時、忘れてならないことがある。それは、前回の第5回でも触れたように、敗戦後から続いていた連合国による「占領」下の1950年6月に朝鮮戦争が起こったこともあって、「戦争」及び「戦争体験」の意味を問うという戦後文学に通底するテーマの一つが、より深化した形で浮上してきたことである。

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TKWO――音楽とともにある人生♪ テナートロンボーン・今村岳志さん Vol.3

高校時代に聴いたジョン・ウィリアムズのオリンピック・ファンファーレに衝撃を受けた今村岳志さんは、2014年、学生時代から憧れを抱き続けていた東京佼成ウインドオーケストラ(TKWO)に入団した。入団後に感じた佼成ウインドの魅力やトロンボーンの役割、そして練習に励む中学・高校生へのメッセージを聞いた。

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