インタビュー
【日本ほめる達人協会理事長・西村貴好さん】褒めることは思いやりの意思表示 人を生かし、自らを幸せにする
褒められると、人は生き生きとしてくる。しかし、日本人は相手の欠点に目がいきがちで、褒めるのは苦手だといわれる。一般社団法人・日本ほめる達人協会では、独自の検定や講演活動を通し、「ほめる達人(ほめ達!)」の普及に取り組んでいる。伝授するのは、触れ合う相手の良さや特有の価値を見いだして、信頼関係を基に互いが高まっていく考え方やコミュニケーションの方法だ。「誰もが尊敬し合える世界にすることがモットー」と語る西村貴好理事長に、褒めることの効用や秘訣(ひけつ)を聞いた。
【日蓮宗日澤山仙寿院住職・芝崎惠應さん】宗教者の本来の役割を果たし 震災で困難抱える人々と共に
今年3月、東日本大震災の発生から10年を迎えた。岩手県釜石市にある仙寿院の芝崎惠應住職は、自ら被災しながらも、高台にある自坊を避難所として開放。震災後間もなく、近隣の寺院に呼びかけ「釜石仏教会」を設立し、物心両面で被災者支援にあたってきた。その後も、仮設住宅に暮らす被災者への訪問をはじめ、毎年の慰霊行事などに取り組む。悲しみ、苦しみに向きあう宗教者による復興支援活動の意味について聞いた。
【恵泉女学園大学学長・大日向雅美さん】コロナ禍での子育てや暮らし 不安やストレスを減らすには
新型コロナウイルス感染症の流行が長期化し、自宅で過ごす時間が長くなっている。子育て家庭では、家事、育児の負担が母親に偏り、ストレスや悩みを抱える人が増加しているという。NPO法人「あい・ぽーとステーション」の代表理事を務め、長年にわたり地域の子育て支援に取り組む恵泉女学園大学の大日向雅美学長に、コロナ禍での育児による不安との向き合い方、心がけるべきことなどを聞いた。
【ピースボート共同代表・川崎哲さん】核兵器禁止条約が発効した今 世界が連携し、さらなる歩みを
2017年に国連で採択された核兵器禁止条約が、1月22日に発効した。開発、使用、保有など核兵器のいかなる行動も禁じる初めての条約であり、発効は核兵器廃絶に向けた“画期的な一歩”といわれる。長年、条約の成立に取り組み、ノーベル平和賞を受賞した国際NGO「核兵器廃絶国際キャンペーン」(ICAN)の国際運営委員を務める川崎哲さん(ピースボート共同代表)に、条約発効の意義と今後の展望を聞いた。
【生物学者・福岡伸一さん】ウイルスを「正しく畏れる」 自然界の一部であると捉えて
新型コロナウイルスの感染が拡大している。「ウイルスは多くの動物にとって病原性がある一方、他の生物に感染して増殖するサイクルを回す “生命体” と捉えると、また違う世界が見えてくる」と言う。生物の起源と進化に詳しい、生物学者の福岡伸一・青山学院大学教授に「ウィズコロナの時代」に求められる生命観について聞いた。
【認定NPO法人「国際ビフレンダーズ 東京自殺防止センター」理事・村明子さん】尊いいのち支え合う社会に 苦しむ人々の声に耳を傾け
今年7月から自殺者数が急増している。それまで、前年比で減少が続いていたが、7月から増加に転じ、10月は2000人を超えた。新型コロナウイルスの感染拡大で、人々の生活やつながりが大きく変容した影響と懸念されている。認定NPO法人「国際ビフレンダーズ 東京自殺防止センター」の相談員として、苦しむ人々の声に耳を傾けてきた村明子理事に、現在の状況や、自殺を防ぐ手だてなどを聞いた。
【NPO法人「明るい社会づくり運動」理事長・秋葉忠利さん】広島市長の経験生かし 明社と平和運動の橋渡しを
前広島市長の秋葉忠利氏が、NPO法人「明るい社会づくり運動」(明社)の理事長に7月1日付で就任した。秋葉氏は、世界のジャーナリストを広島・長崎に招待し、被爆の実相を伝えてもらう「アキバ・プロジェクト」をはじめ、長年にわたり平和運動に尽力。市長在任中は市政に尽くすとともに、広島・長崎が中心となって世界の都市と連帯して核兵器廃絶を目指す「平和市長会議」(現・平和首長会議)の会長も務めた。市民運動の役割、明社の目標や今後の活動について話を聞いた。
【認定NPO法人「八王子つばめ塾」理事長・小宮位之さん】コロナ禍で広がる教育格差――子供たちに学ぶ楽しさ伝えたい
降り注ぐ太陽の光のように、全ての子供たちに学びの機会を与えたい――そんな願いから、小宮位之さんは「八王子つばめ塾」を始めた。活動は今年で9年目になる。ボランティア講師の協力を得て、これまで200人以上の中高生の学習支援を行い、高校や大学の進学をサポートした。
【ルポライター・室田元美さん】戦争は今につながる出来事 現代社会の問題を捉え直す
太平洋戦争の終結から、今年で75年を迎えた。当時を知る人は少なくなり、戦争体験の風化が進む。ルポライターの室田元美さんは、全国に点在する戦跡を訪ね、当時の状況を書籍などを通じて伝えてきた。「加害」「被害」の両面を持つ戦禍の事実を知ることで、現代まで続く社会の問題を捉え直すことができると語る。
【映画監督、脚本家・村橋明郎さん】余命宣告受けた男の物語を映画に 懸命に自分らしく生きる姿を伝え
余命宣告を受け、残された時間を自らの墓造りに費やし、臨終を迎えるまで懸命に生きた男の物語を描いた映画『山中静夫氏の尊厳死』が、今年2月から全国で順次公開されている。この映画の監督・脚本を務めた村橋明郎氏は、理想的な最期を迎えられるかどうかは、死に方ではなく、いかにその人らしく生きたかによって決まると語る。映画の製作を通じて見つめた人の生死、作品に込めた思いについて聞いた。