【登山家・貫田宗男さん】果てることのない山の魅力、冒険心を持って挑み続け
――日頃からできる体力強化や事前準備について教えてください
筋肉には持久力をつかさどる遅筋繊維と、瞬発力を出す速筋繊維の二種類があり、登りは遅筋繊維、下りでは速筋繊維を使います。遅筋繊維に比べて速筋繊維は衰えやすいため、中高年に多い転倒は下りでよく起こります。
遅筋繊維と速筋繊維をバランス良く鍛える一番のトレーニングは、やはり登山です。低い山でも構いませんので、週に1回でも登るといいでしょう。山登りが難しい人には、スクワットなどで太ももの大腿(だいたい)四頭筋を鍛えることをお勧めします。
装備については、急変しやすい天候への対応に加え、体温を調整するために、レインウエアは必ず持っていってください。さらに、日が暮れると視界が閉ざされ、遭難事故につながります。ヘッドライト、それに地図とコンパスを持参することもお忘れなく。
登山靴は少し緩いものを選ぶといいと思います。先日、「イッテQ登山部」で南極に行った時のことですが、メーカーが用意したいつものサイズの靴を使用したところ、小さくて万力で締められているような痛みに苦しみました。メーカーによって幅や大きさが異なるので、購入する際は、必ずフィット感や履き心地を確認してください。