心ひとつに――東日本大震災から10年 近藤雅則仙台教会長に聞く

震災の傷は今も “心の復興”へ「まず人さま」の実践

今年、あの東日本大震災から10年の節目を迎えます。千年に一度といわれた未曽有の大災害は、私たちのこれまでの自然災害の認識をはるかに超えたものでした。地元紙の「河北新報」には、被害状況が今でも毎日掲載されています。2月11日の朝刊では、宮城県内の死者9543人、行方不明者1215人となっていて、東日本大震災が現在進行形であることを物語っているように感じます。

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利害を超えて現代と向き合う――宗教の役割(48) 文・小林正弥(千葉大学大学院教授)

無為無策の結果

政府が1月7日に二度目となる緊急事態宣言を発令した時、菅首相は「1カ月での事態改善に全力を尽くす」と述べたが、感染は収束せずに宣言は延長された。しかし、国民の驚きは少ない印象だった。前政権時代から当局者が「瀬戸際の状況」(安倍首相、2020年3月28日)とか「勝負の3週間」(西村経済再生担当相、2020年11月25日)などと言っても、「勝負」に負けることが繰り返され、多くの人々が慣れっこになってしまったようだ。

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唯仏与仏(66) 立正佼成会 庭野日敬開祖法話

お釈迦さまが悟られた「法」の中心は、すべてのものごとが一瞬一瞬に変化していく(諸行無常=しょぎょうむじょう)ということと、この世に孤立して存在するものは何一つなく、互いにもちつもたれつの関係にある(諸法無我=しょほうむが)ということです。

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幸せをむすぶ「こども食堂」(2) 文・湯浅誠(NPO法人全国こども食堂支援センター・むすびえ理事長)

こども食堂って?(2)

前回、こども食堂は地域の多世代交流拠点だと書きました。子どもからお年寄りまで、地域の多様な人々が集う機会が減り続けてきました。しかし人々は、「減ったね」「さびしくなったね」と嘆くだけではなく、自らにぎわいを取り戻そうと動き始めています。

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