気づきを楽しむ――タイの大地で深呼吸(44) 写真・文 浦崎雅代(翻訳家)
再び紡がれた親子のきずな――ブラック&ブラウンとの1週間
「さっきね、道端に子犬が2匹捨てられていたの。あなたのところで飼ってくれない?」
ある朝、ご近所のエーさんご夫婦が家にやってきた。彼らは、瞑想(めいそう)修行やタンブン(徳積み)に励む心優しいご夫妻だ。なんでも、私の家に来る途中、道のそばに2匹の子犬が佇(たたず)んでいるのを発見し、ふびんに思って拾ったのだとか。
唯仏与仏(51) 立正佼成会 庭野日敬開祖法話
私はよく長沼妙佼(みょうこう)先生(脇祖)から、「会長先生のように、人の話をすべて信用していると、いつかだまされて、ひどい目に遭いますよ」といわれました。それでも私は、「だまされてもいい」というのが信条でした。それがその人のためになるならば、「だまされてもいい」という気持ちでした。私をだましたことによって、その人が後味の悪い思いをして反省してくれれば、それによって私も一つ布施(ふせ)の行ないができたことになります。
内藤麻里子の文芸観察(13)
誉田哲也さんの『もう、聞こえない』(幻冬舎)は、ファンタジーと言おうか、ホラーと言おうか、とにかく不可思議な要素を絡ませて、思いもよらないめくるめく展開を見せてくれるミステリーだ。