新型コロナウイルスへの対応の中で 教えを支えに日々を過ごす会員たち(37)

(越後川口教会提供)

新型コロナウイルスの感染拡大が続き、立正佼成会ではさまざまな集いを控えています。こうした中、会員はどのような思いで過ごしているのでしょうか。それぞれの場で精進を重ね、サンガ(教えの仲間)と心をつないでいる会員の声を紹介します。今回は、越後川口教会総務部長と富山教会組長です。

人さまの幸福、笑顔が自分の喜び

越後川口教会総務部長(70歳・女性)

8月上旬、教会では昨年に続き、「枝豆布教」を行いました。これは、教会に隣接する畑で収穫した枝豆を会員さんに、近隣住民の方には枝豆と機関誌「佼成」をお届けするものです。枝豆は、一つの種からたくさんの豆が採れることから縁起物とされています。コロナ禍という不安な時に心のつながりを大切にし、少しでも喜んでもらえればという願いで、させて頂いています。

畑を管理する夫(73)が中心となり、5月に種を蒔(ま)きました。水やりや草刈りを重ねて、緑のサヤがぷっくりと膨んだ7月下旬、峯坂光重教会長さんと私たち夫婦の3人で収穫しました。炎天下での作業でしたが、皆さんの喜ぶ顔を思い浮かべると、疲労もどこへやら吹き飛んでいました。

「甘くて、とてもおいしかった」「あったかい気持ちになりました」。お届けしたサンガからの評判は上々です。近隣の方とも会話が弾むようになり、教会道場にお煮しめを届けてくれた方もいます。さりげない優しさに触れ、心が温かくなりました。現在、畑では大根を育てています。ひそかに、「大根布教」を計画しています。

今回の取り組みを通して改めて気づいたことは、人さまの幸福、笑顔が、自分の喜びであるということです。コロナ禍が収束するまでは、人とつながることは容易ではありません。だからこそ、相手への思いやりや温かい声かけを大事にし、今できることを精いっぱいさせて頂きたいと思います。

不都合を感謝に変えていく心で

富山教会組長(71歳・女性)

新型コロナウイルスの影響で教会道場の閉鎖が続きましたが、今は感染対策を徹底して午前中のみ、最少人数で道場健幸行(けんこうぎょう)をさせて頂いています。

今年7月、私は年上の組長さんと一緒に、会員さんの仏具の注文を取りまとめるお役を任されました。注文を帳簿に記してお金を預かるのですが、最後に確認すると、預かった金額と記録に違いが出てしまったのです。原因は私の記入ミスでした。確認を怠ったことを組長さんに厳しく指摘された私は、〈こんなことなら、一人ですれば良かった〉と腹を立て、悶々(もんもん)とした気持ちを主任さん(53)に伝えて家路につきました。

しばらくして、主任さんが心配して電話をかけてきてくれました。この時、「コロナ禍で心に波風が立ちやすい状況だからこそ、不都合を感謝に変えていく気持ちを大切に」という加藤幸作教会長さんの言葉を授けてくださったのです。

それで落ち着きを取り戻した私は、改めて一日を振り返りました。すると、以前にもこのお役を担当したことがあり、「慣れている」「間違えるはずはない」と安易に考えていたことに気づきました。組長さんの言葉がなかったら、高をくくっていた自身の心に目を向けることはなく、指摘してもらえたことが有り難かったと思えたのです。

組長さんの言葉は仏さまの説法でした。今度、組長さんに会う時は、自身の振り返りができたお礼を直(じか)にお伝えしたいと思っています。