新型コロナウイルスへの対応の中で 教えを支えに日々を過ごす会員たち(43)

新型コロナウイルスの感染拡大が続き、立正佼成会ではさまざまな集いを控えています。こうした中、会員はどのような思いで過ごしているのでしょうか。それぞれの場で精進を重ね、家族やサンガ(教えの仲間)と心をつないでいる会員の声を紹介します。今回は、下館教会会員です。

支え合う家族の絆に感謝

下館教会会員(68歳、女性)

コロナ禍の中で「即是道場(そくぜどうじょう)」を心がけてきました。家庭では、看護師として14年勤めた病院を退職した娘とご供養をし、毎日の触れ合いを大切にしています。

そうした中、今年の初めにトイレの暖房機能が故障し、修理業者から見積もりを取りました。夫は私に、同居する息子にも代金の半分を負担してもらおうと言ってきました。その時、私は近くに座る娘の気持ちが心配になりました。それまで、仕事をしていないことに負い目を感じている発言を何度か聞いていたため、そんな話を聞かせたくなかったのです。私が話を切り上げようとしても夫はやめず、この日は口論になってしまいました。

娘は肩身の狭い思いで聞いていたのではないかと心配し、「ごめんね、つらかったでしょう」と声をかけました。すると、意外にも、娘は普段と変わらない様子で、「私はお金の代わりに、みんなが気持ちよく使えるように責任を持ってトイレを掃除する」と言ってくれたのです。そして、「働けなくなった後、何も言わずに受け入れて、愛情を注ぎ続けてくれたお父さんとお母さんの気持ちは分かっているから、何を聞いても大丈夫だよ」と話してくれました。

私たち夫婦の心を受け取り、家族を大切に思ってくれていた娘の気持ちが有り難く、胸が熱くなりました。翌日、娘とのやりとりを伝えると、夫は「つらい思いをした分、成長できたのだな」と、しみじみ言いました。

家事は、給与に換算すると大変な仕事です。夫は、娘が今自信を持って家事の大半を担っていると分かっているから、安心して代金の話を持ち出したのだと真意を語ってくれたのです。私は、夫をやみくもに責めてしまったことを反省するとともに、娘を深く理解し、成長を見守る夫に頼もしさを覚え、感謝しました。

2月に入り、娘はコロナ禍で多忙を極める医療現場への復帰を目指し、就職活動を始めました。支え合って、私たち家族があります。「ありがとう」。今、その気持ちでいっぱいです。