WCRP/RfP創設50周年 諸宗教者が平和のために連帯して半世紀
霊性――「共に祈り」「共に語り」「共に働く」
WCRP/RfPに参画する宗教者たちは、共に平和への取り組みを進める中で、互いの宗教を理解するとともに、自分自身の姿勢を見つめ信仰を深めてきた。
前国際事務総長のウィリアム・ベンドレイ氏(カトリック)は、日本在住時の禅寺での修行体験を振り返り、こう語っている。「私たちキリスト教徒にとっては異質なものと考えられがちな禅の修行によって、私自身の霊性が深まり、キリスト教への帰依心がより篤くなり、より正しくキリストの教えを理解するようになった。このような体験から、私は異なった宗教間の対話と相互理解が極めて大切なことが分かり、そのために努力することが自分の使命であると自覚し、自ら進んでWCRPの仕事に参加するようになった」(『世界宗教者平和会議30年史』)。
世界大会では、各宗教の代表による「祈り」や、それぞれの宗教文化を体験するプログラムなども行われてきた。
元バチカン諸宗教対話評議会長官のフランシス・アリンゼ枢機卿は、そうした取り組みがWCRP/RfPの持つ美点の一つと強調。「WCRPが平和のための活動やさまざまなプロジェクトを積極的に進めるのは、その根底に宗教的な祈りの精神や教えがあるからと考えられる。すべての宗教は祈りから始まる。祈りや瞑想は人の魂を呼び起こし、浄化させる」(日本委員会会報『WCRP』)と述べ、平和活動における霊性の大切さを挙げている。
庭野光祥次代会長は現在、国際共同議長の一人として、WCRP/RfPの活動を推進するとともに、世界各地を訪れて宗教指導者との交流を深めるなど、諸宗教の対話と協力の促進に努めている。
光祥次代会長は、宗教者の平和活動について、「具体的な取り組みやプロセス、成果はもちろん重要ですが、一人ひとりが信仰や教え、自身の内側と真摯に向き合いながら取り組むところに特徴があると思います」(「佼成新聞」2020年9月27日付)と述べている。
WCRP/RfPは、宗教を基盤にした組織である。「共に祈り」「共に語り」「共に働く」というWCRP/RfPの基本姿勢を大事にしながら、今後も宗教者の連帯による取り組みを進め、世界平和と人々の幸福に貢献していくことが期待される。
光祥次代会長の講話から
そして、何よりも大事なのは、他者の信仰の形式や言葉に着目して、それにとらわれるのでなく、自らの信仰の本源に忠実であろうとすることです。私の信じる神仏の究極の願いは何なのか、その願いに自分が本当に忠実に生きているのか。問うべきは、相手の信仰ではなくて、自らの信仰に忠実であるか、ということではないかと私は思います」(「佼成新聞」2019年11月3日付)