WCRP/RfP創設50周年 諸宗教者が平和のために連帯して半世紀

創設者たちの願い 今、世界に

WCRP/RfPは創設から50年を経て、組織も拡大。現在、世界に六つの地域委員会(アフリカ、アジア、欧州、北米、南米、中央・北アフリカ)、90カ国以上に国内委員会(IRC)が設けられている。1976年には、初の地域委員会としてアジア宗教者平和会議(ACRP)が発足した。

各国で諸宗教者の協力によって活動が展開され、信徒レベルにまで交流が広がる。

その中で、日本委員会は、宗教協力のモデルとして先駆的な役割を果たしてきた。宗教者の絆を基盤に人権、難民、非武装・和解、開発・環境の各委員会(後に特別事業部門=タスクフォース=の体制に移行)、平和研究所、女性部会、青年部会などの各部門を設け、各界と協力しながらさまざまな支援や研究・提言活動を推進。本会も日本委の加盟教団として、庭野開祖の宗教協力の精神を引き継ぎ、会員レベルまで積極的に活動に参画している。

庭野会長の法話から

「私たちは、私たち自身の内なる仏性を開き、同時に他の人の仏性を礼拝(らいはい)していくということが大切です。生きとし生けるもの全てが一仏乗という大きな乗り物の中で、共に生きていることに目覚める。互いのいのちを尊重し合い、共に真理を認識していく。まさに宗教的行動とは、このように共生のために歩むべき大切なことに気づくことであると信じます。WCRPは、まさしく異なる宗教者が慈悲と愛の下に智慧(ちえ)と力を出し合い、全人類が、一つの家族として共生していく以外に道がないことに目覚めていくための重要な運動体であります」(第7回世界大会での基調講演から)
「この地球上には、国も、民族も、文化も違うさまざまな人々が暮らしています。そうした個々の相違点は、しばしばマイナス要因と受け取られます。しかし私は、『違いの中から豊かさが生まれる』と信じております。

私どもは、自分と異なる存在と出会うことで、それぞれの特長を学び、向上し合うことができます。他を知ることを通して、自らを顧みることができます。共通点を見出し、協力し合うこともできるのであります」(第9回世界大会での発題から)

「私たちの信ずる神、仏は、一切の生きとし生けるものが、真に和合して生きることを願っておられます。この神仏の願いを現代に実現していけるよう、たゆまず努力、精進していくのが、私たち宗教者の役割であると思います」(第16回奈良県宗教者フォーラムの基調講演から)

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