六花の会 仏教を生かす経営 今年も各地で学習会

講師の中江氏は、全ての縁を感謝で受けとめることが、企業人として、人間としての成長につながると語った

富士で「仏教精神に学ぶ経営者の集い」

富士教会の「仏教精神に学ぶ経営者の集い」には、52人が参集した。当日は、2年前に社長の夫を亡くし、家族が社員の塗装会社を引き継いだ女性会員(73)が体験発表した。女性会員は、ある経営の勉強会で福永氏と出会い、経営者だけが経営するのでなく、社員である家族が力を合わせる大切さを指南されたことを述懐。その後も福永氏が気にかけてくれたことで、全員で一丸となれた体験を語った。

続いて、企業経営の経験を持ち、本会の安城、滋賀、上田、津各教会長を務めた中江通雄氏が講演した。父親が急逝し、多額の負債を抱えたメッキ工場の経営を24歳で継いだ中江氏は、庭野開祖の著書『人間への復帰』を読んで、「諸行無常」「諸法無我」を知るとともに、仏教に照らし、自らが直面する困難な状況の意味や、苦境を乗り越える方法を知るために入会した。会社は3年後に倒産したが、教えに沿って営業の仕事に精を出し、40代で負債を完済した。

講演の中で中江氏は、自らの体験を通じ、「人は、物事がうまくいっている時は自分の手柄、悪くなった時は他人や環境のせいと考えがち」だが、仏教では、全ての出来事は自分にとって意味があると教えると指摘した。その見方で、謙虚に仕事にあたれば、「経営が軌道に乗っている時は人さまのおかげさま、業績が上がらない時は、自分の能力が足りず、成長するための機会を頂いている」と、全てに感謝の気持ちで取り組めるようになると強調。仏教を生かすことで、自(おの)ずと結果はついてくると語った。

この後、グループ討議、質疑応答が行われ、社員のモチベーションを上げる経営者の姿勢などに話が及んだ。

同集いの実行委員を務める美容室経営者の女性会員(75)は、「今回は、経営者の悩みに寄り添えるサンガ(教えの仲間)を増やしたいとの思いから、支部長さんや教会役員の方にも参加をお願いしました。家庭生活と会社経営を切り離さず、それぞれの場で教えを実践し、そこでの気づきを分かち合っていければ」と話した。

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