【詳報】「開祖さま生誕会」 裏千家前家元の千玄室大宗匠による献茶式が行われる

千玄室大宗匠に謝意を表し、法話を述べる庭野会長

式典の最後に、庭野会長が登壇。「娑婆即寂光土」の意味合いに触れ、人間が暮らす現実世界こそが寂光土であり、そのことは心が顚倒(てんどう)していると分からないものの、心が仏の教えに沿っていくと寂光土が出現すると説いた。その上で、まずは家庭を寂光土とし、さらに社会が、国家が、世界がそうなるように努力していくことが菩薩行であると強調した。

また、読経供養で奏上される「普回向」に言及し、「願わくは此の功徳を以(もっ)て 普(あまね)く一切に及ぼし 我等と衆生と 皆共に仏道を成ぜん」の言葉は、菩薩道の精神を最も簡明に表していると説示。「私たちは、自分だけが仏さまの教えを頂いて幸せになればいいのではなく、世のため、人のために功徳を積むことが大切です。そして願わくは、これによって全ての衆生と共に仏になっていきましょうと。そういう大きな願いを持って精進しなさいと教えられているのです」と述べた。

「生誕会」終了後、式典に参加していたロサンゼルス教会支部長(60)は、「献茶式では、大宗匠さまの所作の一つ一つが美しく、日本の心、おもてなしの精神を見せて頂き、感動しました。教えを基に、相手への敬いや平和の願いをこれからも大切にしていきたいと思いました」と感想を話した。また、5歳になるわが子の七五三を兼ねて妻子と参拝していた福岡教会の男性会員(23)は、「精いっぱい仕事をして、いい家庭を築きたい。そういう気持ちになりました」と語った。

弘前教会より奉納されたリンゴ。大聖堂に飾られた