会員対象の「ありがとう普門館」 普く門戸を開く精神遺し終了
1970年4月28日、文化の殿堂「普門館」は落成した。立正佼成会の行事のみならず、文化、芸術活動の普及と発展に貢献することを願い、普(あまね)くその門戸を社会に向け開いてきた。閉館が決まった普門館では今年、会員に向けた「ありがとう普門館」の本部参拝プログラムが行われた。その数は、今月の「開祖さま生誕会」(11月15日)まで、延べ85回に及んだ。
約5000の客席を擁する大ホールに照明がともると、ステージ上で「わぁ!」と歓声が上がる。「開祖さまご命日」(11月4日)の前日、釧路、石巻、大阪、佐賀など15教会の会員ら約650人が普門館を訪れた。「ステージからの眺めがこんなに壮大なものだったとは」「鼓笛フェスティバルでこの位置に立ったんです」など、参加者は口々に思い出を語りながら、普門館のステージでのひとときを過ごした。
本部参拝プログラム「ありがとう普門館」は教団創立80周年の今年、会員が教団の歴史に触れられる企画として実施された。2月15日の「涅槃会(ねはんえ)」から始まり、毎月のご命日や仏教三大行事、教団行事の本部参拝に合わせて行われた。
プログラムでは毎回、舞台上の特設スクリーンに建設途中の普門館の様子や、落成式で庭野日敬開祖が法話を述べる様子を上映。5000人を収容できる多目的ホールとして当時、「東洋一」の規模を誇ったことや、重なり合った二つの円柱をかたどった建物には、「諸行無常」と「諸法無我」の二つの精神(仏教真理)が込められていることが紹介された。
プログラムへの参加を通して、建設の願いをかみしめる人、舞台を懐かしむ人、初めて舞台に上がることができた感激に浸る人など、それぞれが普門館との最後の思い出を胸に刻んだ。上映終了後には、客席を背景に記念写真を撮影する参加者の姿も多く見られた。
ステージ後方には、記念スタンプやメッセージボードが配置された。「兄妹7人、子供3人が鼓笛で舞台にあがりました」「青年幹部会の時の開祖さまの合掌する姿が忘れられません」といった、普門館へのメッセージが各人の思い出と共に記されていく。プログラムが行われた期間中、メッセージ用の模造紙(縦1メートル、横80センチ)は35枚貼り替えられ、その一枚一枚には“ありがとう”や“感謝”の文字があふれていた。
「ありがとう普門館」に参加して 会員の声