円実寺で第七百三十六回波木井山川施餓鬼法要 庭野会長が法話 本会56教会から1191人が参加

8月19日、山梨・身延町にある波木井山円実寺(岩田日見住職)で「第七百三十六回波木井山川施餓鬼法要」が行われ、立正佼成会の庭野日鑛会長が参列し、午前、午後の法要で法話を述べた。本会の3人の元理事長や役職者をはじめ56教会から1191人が参加した。

円実寺は、鎌倉時代に波木井城の城主・波木井公(南部六郎実長公)が日蓮聖人に寄進した寺として知られる。また、川施餓鬼法要は、近隣の富士川の氾濫によって多くの犠牲者が出た際、波木井公が日蓮聖人に請願し、法要を営んだことに由来する。本会とは、昭和21年に庭野日敬開祖と長沼妙佼脇祖が同寺に立ち寄り、その再興を申し出て以来、親交を深めてきた。

各教会の会員は、題目を唱えながら参拝

法要は、午前の部(24教会から591人の会員が参加)と午後の部(32教会から600人の会員が参加)の2回行われた。当日、各教会は、隊列を組んで参道を進み、眼下に富士川を望む同寺を参拝。うちわ太鼓の音と、「南無妙法蓮華経」を唱える唱題の声が同町波木井に響いた。

境内には3000本の塔婆(とうば)が安置され、本堂では読経、僧侶と参列者代表による焼香、修法などが行われた後、岩田住職に代わり執事長の筒井治稔師、副住職の長谷川喜章師があいさつ。この中で、筒井師は、自らの生命は父母をはじめ多くの先祖による「奇跡のいのちのつながり」によってあるとし、「今あることへの感謝が何よりの回向になります」と述べた。また、長谷川師は、参列者の協力によって法要が続けられていることに謝意を表した。

続いて、庭野会長が法話に立った。

参列者を前に法話を述べる庭野会長

この中で、日本人が天候に敏感で、晴れであれば良い日、雨であれば悪い日といったように自らの都合で天気に「よしあし」を付けてしまいがちだが、本来、日光も雨も多くのいのちを育み、恵みをもたらしていると説明。「人間だけでなく、植物も動物もみんな生かされているのですから、お天気に文句を言わず、生かされているという根っこに感謝することが大切です。雨が降れば大地が潤い、晴れであれば外で働けると、良い面を見て、有り難いという方向に思いを持っていく。川施餓鬼法要に参加させて頂いた私たちが今日から文句を言わず、多くの人に感謝する大切さを説いていくことが大事だと思います」と述べ、感謝の広がりが世界の平和につながると強調した。

午後の部に参列した豊田教会の支部長(60)は、「今日は、病で参列できず、お戒名を託してくださった会員さんのことを思いながら法要に参加しました。その方は、いつもいのちの尊さを教えてくださいます。今、ここにあることの有り難さを多くの人とかみしめていきたい――その願いを強くしました」と話した。

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