立正佼成会 庭野日鑛会長 9月の法話から

平和な国づくりがやがて

今、ロシアのウクライナ侵攻という問題があります。『会員綱領』には、「世界の平和」という本当に大きなことが掲げられています。その意味では、私たち一人ひとりが、まず自分の国を立派な国にしていくことから取り組んで、世界にそれを及ぼしていく働きをしなければならないのではないかと思います。

世界の平和とは元来、私たち日本の国の古今を通ずる本願です。歴史的に日本の国号は大和(やまと)、英語に直せば「Great Peace」「Great Harmony」と称します。古代日本の文化の偉大な功労者である聖徳太子は、十七条憲法の冒頭に「和を以(もっ)て貴(たっと)しと為(な)す」と宣言されており、この大精神は、歴史的に終始一貫せる国家的、民族的理想です。私たちは世界の中で、日本が果たすべきことは何かを考え、まず自分の国をしっかりとした平和な国家にしていかなければなりません。そして、それがまた他に及んで、新たな世界がだんだん開けてくれば幸いだと思うのです。
(9月10日)

心のセルフチェック

私たちは定期的に、病院で人間ドックを受けます。それは身体(からだ)の精密検査です。「身体(しんたい)」を「心体(しんたい)」と書いてみると、「心体精密検査」となり、心の問題が身体といかにつながっているのかが分かってきます。日頃から、「心体精密検査」をすべきではないかと、ある本で学びました。

その本によると、「心体精密検査」には十項目があります。

まず、一番目に、日常の飲食は質、量ともに適正であるかどうか。いつも適正な食事をすることによって健康が保たれます。飲食は毎日するわけですから、質と量ともに適正であるかどうかを、食事ごとに気を使い、注意していくことが大切です。

それから二番目は、毎夜の眠りの具合です。身体が疲れている時は普通、誰でも熟睡するそうですが、精神が不安定であるとなかなか眠れない、安眠できないといわれています。夜の眠りは、熟睡ができて、その上で、精神的にも安らかな気持ちで眠れているかが大事になります。

三番目には、普段、適当な運動をしているかどうかです。やはり、生きている以上は運動しなければよろしくないのです。

四番目には、自分の身心に影響する悪習はないかです。日頃から、悪い習慣はないかと自らに問うて生活することが大事になります。

五番目として、自分は生活の諸問題に一喜一憂しやすくないかが挙げられています。何かあっても平常通りに執務できるか、働けるかどうかですね。こうしたことを、いつも生活の中でわが身に問うてみることが大切です。

六番目は、自分の仕事にどれだけ自信と希望があるか。

七番目は、自分は有益な内面生活を有するか。私たちは仏さまの教えによって、内面を整えています。そうした有益な内面生活を持っているかどうかチェックしなさいということです。

八番目には、自分は真(まこと)の親友、良友を持っているかどうか。

九番目として、日常において、座右を離さぬ良書、そういう書物を持っているかがチェックポイントとされています。

そして十番目は、自分独自の信念とか、そうしたものを持っているか、信仰を持っているかです。先ほどの内面生活と同じようなことになりますが、信念とか信仰とか、自分が目指している座右の銘とか、そういうものを持っているかが掲げられています。

これら一つ一つを自らに問うて、日常生活を送れば、身心ともに健康な人生を歩めるといわれます。病院での体の検査はもとより、日頃、自らが心と体の両方をチェックしていく。そのことがとても大事であると思うのです。
(9月15日)

画・茨木 祥之

親の恩

倫理学者である西晋一郎という方の言葉です。

「父母(ふぼ)の恩(おん)の有無(うむ)厚薄(こうはく)を問(と)はない。父母ありといふことが即(そく)恩ありといふことである。父母の我(われ)を生むは自然のわざで、格別恩では無いといふは甚(はなは)だしき誤(あやまり)である。自然のわざなるが故(ゆえ)恩である」

今、人間として、この世に誕生させて頂けたのは父母の恩である。そして、その恩がいっぱいあったか、なかったか、厚かったか、薄かったかは問わない、と。とにかく父母ありということが、もう大変有り難いという意味です。

私たちは親孝行させて頂いて、そのご恩に報いていかなくてはなりません。そして、せっかく尊いいのちを頂いたわけですから、自分が頂いた体を健康に保ち、しっかりと人生を歩んでいく。また、ご法を深めて、人さまにもお分けすることが大切です。
(9月15日)