唯仏与仏(39) 立正佼成会 庭野日敬開祖法話

北風と太陽が、荒野を旅する人のマントを剝(は)ぎとる力くらべをしたイソップ寓話(ぐうわ)は有名です。まず、北風がビュービュー吹きつけると、旅人はますますマントをしっかり身に巻きつけました。次に、太陽があたたかい光を送ると、旅人はすぐマントを脱いでしまいました。これなのです。柔和なあたたかい心情こそが、相手の気持ちをやわらげ、敵意の鎧(よろい)を脱がしてしまうのです。

私たち仏教徒は、この太陽のように、常にあたたかい柔和な心、柔和な表情、柔和な語り方、柔和な態度で人びとに接したいものです。

(『庭野日敬平成法話集1 菩提の萌を発さしむ』の一節を抜粋して掲載します。今回は同書225ページから)

※『庭野日敬平成法話集1 菩提の萌を発さしむ』について
佼成出版社ウェブサイト https://www.kosei-shuppan.co.jp/book/b358914.html