心ひとつに――東日本大震災から10年 橋本惠市釜石教会長に聞く

困難な状況の中で慈悲の心を持ち続けられたサンガの姿に、いつも胸が熱く

昨年4月に釜石教会長を拝命して以来、会員さんに東日本大震災からこれまでの歩みをよく聞かせて頂いています。どなたも「あの日」のこと、その後のことを鮮明に覚えておられ、日本全国、世界各国からのご支援に感謝されています。今も励ましのお便りを送ってくださる方がおられます。教会を代表し、長年思いを寄せてくださることに改めて感謝申し上げます。

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気づきを楽しむ――タイの大地で深呼吸(49) 写真・文 浦崎雅代(翻訳家)

恐れ、怒り、放逸――心の三重苦も備えあれば、はまり込みなし

新型コロナウイルスの感染を予防するため、「ニューノーマル」(新しい日常)と呼ばれる公共の場での振る舞いが、タイでも定着してきている。主には、手洗いの励行、マスクの着用、他人とは2メートル程度の距離を取ることである。もちろんこれだけでは、感染を完全には防げるとは限らない。すでに流行は長期にわたっており、今後どのような対策を講じるのか――これは国単位でも、地域や家族、個人においても、難しい選択が迫られると言えるだろう。

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唯仏与仏(68) 立正佼成会 庭野日敬開祖法話

在家の生活では、さまざまな出会いのなかで愛着心や欲望にとらわれることが多々あります。自分の才覚だけで仏道を歩もうとしても、間違った方向に進まないともかぎりません。自分中心の狭い見方では、まわりが見えなくなって、とんでもない横道に入りこんでしまうこともあるものです。

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内藤麻里子の文芸観察(18)

『やがて海へと届く』(2016年)、『くちなし』(2017年)など、人の思いを繊細につづってきた彩瀬まるさんの新作『草原のサーカス』(新潮社)は、これまでの作品にはめられていた狭い枠が取り払われた。とんでもない試練が襲う大きな物語を構築する中で、生きることとは、仕事とは何かを問いかけてくる。

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