ミンダナオに吹く風(19) ミンダナオ子ども図書館を支えるスタッフの若者たち 写真・文 松居友(ミンダナオ子ども図書館代表)

ミンダナオ子ども図書館を支えるスタッフの若者たち

ダバオ国際空港の出口から、立正佼成会の「一食(いちじき)平和基金」の担当者の方々が出て来られると、ミンダナオ子ども図書館(MCL)のスタッフのジェニーボーイ君が走り寄ってスーツケースなどを受け取って運び始めた。

ミンダナオ子ども図書館のスタッフは現在25名ほどいるが、専門職である社会福祉士(ソーシャルワーカー)を含めて、ほとんどがかつての奨学生たちだ。ただし、ジェニーボーイ君とお姉さんのエレンジョイさんは奨学生ではない。二人は僕が初めてミンダナオ島を訪れた時に滞在した児童養護施設・ハウスオブジョイにいた孤児だった。その時の体験が、ミンダナオ子ども図書館を始めるきっかけの一つになったのだが、そこで出会ったのが、ジェニーボーイ君とエレンジョイさん、そして弟のララン君と妹のラブラブだった。

彼らは親が殺害されて施設に来たきょうだい。中でも長男のジェニーボーイ君は典型的な悪ガキで、その後僕がハウスオブジョイを離れてキダパワン市でミンダナオ子ども図書館を始めた頃に、小学校を卒業することなく孤児施設を飛び出したのだった。

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