ミンダナオに吹く風(8) 写真・文 松居友(ミンダナオ子ども図書館代表)

戦争で山や湿原から逃げてきた人々は、町の近くの国道や市道沿いのわずかな空き地や道端に、切ってきた木の枝を柱にして避難小屋を作っていた。ヤシの葉を編んだものを葺(ふ)いて、床には同じようなヤシの葉を編んだものや、ヤシの葉そのものをそのまま敷いていた。

こんなものでは、日よけにはなっても、雨が降れば、親子ともども、持ってきたわずかな服すらもびしょ濡れになってしまう。多少お金のある人々は、ビニールシートを買って屋根や床にするけれども、貧困で日々の食べものにも困っている人々がほとんどで、彼らはシートなど買うこともできない。

この15年というもの、そんな人々の現状を見てきた。「くり返しくり返し」、そう言えるほど戦争や小規模な戦闘が、湿原のイスラム地域や山の先住民族のいる地域で起こり、避難民がでるたびに、「ミンダナオ子ども図書館」では、避難民に救済支援を行ってきた。

大きな戦争は3、4年おきに起こり、避難民も長いときには2年近くも厳しい避難生活を余儀なくされた。小さな戦闘は、毎年のように、時には年に数回起こり、そのたびごとに避難場所に駆けつけた。

家を追われた人々に支援物資を配布するミンダナオ子ども図書館のスタッフたち(フィリピンのマラウィ市)

先月(8月)も、マラウィで起こっている戦争で、40万を超す避難民がでて、すでに二度救済支援に向かった。ミンダナオ子ども図書館の子供たちが、スタッフといっしょに、日本から送られてきた古着を徹夜でビニール袋に詰め込む。非常食の缶詰やお米やカップヌードルやクラッカーも入れて。ビニールシートもいっしょに。トラックとピックアップ2台にスタッフと若者たちが同乗して、13時間も走って避難民たちが逃げてきている、マラウィ市の隣のイリガン市に行き、一人ひとりに直接手渡した。

避難民一人ひとりにチケットを直接手渡す方法を取るのは、事務所などに一括して置いて帰ると、有力者だけが大量の物資を分配して持ち去って、売りさばいたりしたあげく、困窮している避難民たちの手に渡らないという状況を、くり返し見てきたからだ。

しかし、支援は一回や二回で完結するものではない。戦争の犠牲となった人々が、避難場所から家に戻り、安心して生活を開始できるまで継続されなければならない。今回のマラウィ支援も、まだ始まったばかり。これから戒厳令が延長された12月まで、古着や食料やシートや毛布をくり返し届ける。病気の子が医療の助けを受け、薬の提供から時には手術まで行えるように活動する。さらに親の殺された不幸な子たちを本部に引き取って、スカラシップ(奨学金)で大学まで通えるようにしてあげる予定だ。

追記
今回の避難民への緊急支援は、立正佼成会の皆さんからの支援で実行できました。現地の人々、子供たちに代わって、心からお礼を申し上げます。ありがとうございます。