利害を超えて現代と向き合う――宗教の役割(80) 文・小林正弥(千葉大学大学院教授)

政治哲学から見る旧統一教会への解散命令請求

文部科学省は、民法上の不法行為を根拠に、世界平和統一家庭連合(旧統一教会)への解散命令を東京地裁に請求した(10月13日)。宗教法人法における「報告徴収・質問権」を7回にわたって行使し、教団からの資料収集や元信者への聞き取りを行い、この決定に至ったのである。

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バチカンから見た世界(143) 文・宮平宏(本紙バチカン支局長)

3宗教間の融和なくして中東和平は実現できない(2)―中東カトリック指導者の糾弾―

イスラエルとパレスチナ領ガザ地区を実効支配するイスラーム過激派組織ハマスとの間で戦闘が始まってから、40日(11月15日現在)が過ぎた。伊カトリック司教会議通信社「SIR」によると、カトリック教会の聖地(エルサレム)管理局のイブラヒム・ファルタス神父は、「私たちアラブ人は、40日後に死者を追悼する」「ユダヤ人が、約束の地に到着するまでに、シナイ半島の砂漠を放浪したのは40年間だった」「キリストが砂漠で孤独、飢え、誘惑と闘ったのは40日間だった」「(イスラエル軍が2002年のインティファーダ=抵抗運動=で蜂起したパレスチナ人戦闘員を捕獲するために)キリストの生誕教会を包囲したのは40日間だった」と指摘し、“40”という因縁に沿ってイスラエルとハマス間での戦闘が終われば、それは「神からの恩恵だ」と願望を表明したという。

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熊谷教会「出会いの森」20周年記念式典 少年育成に力を入れる1年に

2003年10月、立正佼成会熊谷教会の敷地の四方に、ブナや桜など全29種類、約1200本の苗木が会員の手によって植えられた。翌年、全国各地の教会を訪ね、会員と法の縁を結ぶ「ご巡教」で訪れた庭野日鑛会長は、人や法に出会い、法を理解して実践する人を育成する大切さを示した上で、「木が育つのと同じように、皆さんも成長して立派な人間になって頂きたい」と話し、植樹された木々を「出会いの森」と名付けた。

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利害を超えて現代と向き合う――宗教の役割(79) 文・小林正弥(千葉大学大学院教授)

イスラエル・ガザ「戦争」

ウクライナとロシアの戦争が続く中、もう一つの戦争が始まってしまった。パレスチナ自治区ガザ地区を実効支配するイスラーム武装組織ハマスが、イスラエルに約2500発のロケット弾を発射し、100人が死亡し、800人以上が負傷した(10月7日)。イスラエル政府は「戦争状態」という声明を出して、ガザ地区に報復の空爆を開始し、ガザ地区の住民110万人に退避要求を出して地上侵攻の準備を整えた(16日)。アメリカは人道危機への対処には傾注しているが、地上侵攻は黙認している。アメリカやヨーロッパの多くの国々がイスラエル寄りであることは否みようがない。安保理決議にも採択の見通しはない。

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佼成学園「創立記念式典」 先祖から受け継がれたいのちを懸命に生きる 庭野学園長が諭告

9月7日、学校法人佼成学園の創立69周年を祝い、「令和5年度創立記念式典」が立正佼成会の大聖堂(東京・杉並区)で催された。佼成学園中学・高校の生徒1254人、同女子中学・高校の生徒740人は、新型コロナウイルス感染症対策のため、教室でのオンライン配信の視聴を通して参加した。

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令和5年次「目で学ぶ み教え 目で聴く 法座」開催 耳の聞こえない・聞こえにくい人のハイブリッドの集い

『生かされていることに感謝し、みんなに元気を与えられる自分になろう。』をテーマに、立正佼成会の習学部教育グループが主管する令和5年次「目で学ぶ み教え 目で聴く 法座」〈耳の聞こえない・聞こえにくい人のハイブリッド(リアル・オンライン)の集い〉が8月27日に行われた。

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スリランカで「子どもの権利と幸福のための宗教者の役割」に関するワークショップ

ユニセフ、世界宗教者平和会議(WCRP/RfP)、共同学習イニシアチブの三者による「子どもの権利と幸福のための宗教者の役割」に関するワークショップが8月13~15日、スリランカ・コロンボ市内のホテルで開催された。テーマは『南アジアにおける思春期の少女のための協力と前向きな変化の促進』。南アジアの中でも特に貧しい地域とされるインド、パキスタン、ネパール、バングラデシュ、スリランカを中心に8カ国から、ユニセフ職員、宗教指導者、政府関係者ら約70人が参加した。日本からは、アジア宗教者平和会議(ACRP)の篠原祥哲事務総長(WCRP/RfP日本委員会事務局長)、根本信博上級顧問(立正佼成会参務)が出席した。

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利害を超えて現代と向き合う――宗教の役割(77) 文・小林正弥(千葉大学大学院教授)

家と国家というコミュニティーにおける生死の歴史

8月には、暑さの中で、お盆があり、「原爆の日」や終戦記念日があり、毎年式典がある。各家庭でも、そして日本中でも犠牲者を悼(いた)み追想し、戦争と平和を思う月だ。個人とともに、家族や国民というコミュニティーを重視する「徳義共生主義(コミュニタリアニズム)」の観点から見ても、そこで共に生きる人々の生死を改めて考えるべき時だと言える。

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利害を超えて現代と向き合う――宗教の役割(76) 文・小林正弥(千葉大学大学院教授)

これからの「道徳」の話をしよう

先月(6月18日)に駐日ジョージア大使(ティムラズ・レジャバ氏)が、自分が足を組んで電車の優先席に座っている様子をツイッターに投稿したところ、大きな反響があり、その是非についての議論が盛り上がった。日刊紙でも大使にインタビューがなされて、私がコメントを求められた(朝日新聞7月14日付夕刊)。

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小湊教会で発足記念式典 70周年を迎えられた有り難さをかみしめ

立正佼成会小湊教会は今年、発足70周年を迎えた。今日を迎えるまでには、会員によるたゆまぬ布教が続けられてきたとともに、法華経行者である日蓮聖人生誕の地に暮らす信心深い町の人々の支えがあった。

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