令和5年次「目で学ぶ み教え 目で聴く 法座」開催 耳の聞こえない・聞こえにくい人のハイブリッドの集い

『生かされていることに感謝し、みんなに元気を与えられる自分になろう。』をテーマに、立正佼成会の習学部教育グループが主管する令和5年次「目で学ぶ み教え 目で聴く 法座」〈耳の聞こえない・聞こえにくい人のハイブリッド(リアル・オンライン)の集い〉が8月27日に行われた。

新型コロナウイルス感染症が、感染症法上の5類移行により行動制限が緩和されたことを受け、本部に集う対面形式と、ウェブ会議システムを使って参加するオンライン形式のどちらかを自由に選択できるハイブリッド形式で開催。会場となった法輪閣(東京・杉並区)には、全国から21人の会員が参集し、20人がオンラインで参加した。行程中、会場とオンラインの双方の参加者が一体感を持って同じ学びを共有できるよう、手話通訳や文字表示などを準備。ボランティアスタッフによるサポートも行われた。

手話通訳のボランティアスタッフが、読経供養などをサポートした

集いでは、読経供養の後、導師を務めた副実行委員長の女性会員(40)=立川教会=があいさつ。集いのテーマについて自身の体験を交えて説明し、「日々感じている思いや悩んでいることなど、ハイブリッドの集いで自分の気持ちを仲間と語り合い、確認し、身心ともにスッキリしましょう」と呼びかけた。

次いで、実行委員長の女性会員(45)=渋谷教会=が体験説法に立った。女性会員は、コロナ禍に入る前に両親から御本尊を継承勧請したことを述懐。両親や兄のように信仰活動に熱心ではなかった自分が受け継いで良いのかと葛藤したが、支部長から「これからあなたが人のために頑張っていけばいいですよ」と背中を押され、ご宝前を大切に守っていきたいと決心したことを発表した。

また、その後に受講した「会員教育Ⅱ」の導きの課題を通して、大切な友人に勇気を出して自身が佼成会に入会していることを伝え、布教用冊子を手渡せた経験を詳述。コロナ禍で精神的に落ち込む友人を励ますなど、手どりを継続していることを伝えた。

その上で、昨年に集いの実行委員、そして今年は実行委員長を引き受けたことで、内気だった自分が、「人と関わる時、相手の気持ちを考えながらコミュニケーションが取れるようになってきたのではないかと感じています」と報告。集いに向けた準備や手どりの中で、自分の心の状態が元気でないと人に良い影響を与えることができないと気づいたと述べ、「自分がもっと教えを学んで実践し、自分らしく生き生きと日々を送ることができるように精進してまいりたいと思います」と誓願した。

この後、教育グループスタッフが研修を行い、体験説法を「縁起観」の教えに沿ってかみしめた。

続く「分かち合い」では、対面とオンライン、混合の五つの班に分かれて法座を実施。集いのテーマや体験説法を踏まえ、「自分に元気を与えてくれた人はいるか」「自分だったら誰に元気を与えたいか」について、各班にボランティアスタッフが入り、手話通訳や文字表示などのサポートを行いながら1時間にわたってじっくりと語り合った。

最後に感想発表が行われ、各班から1人ずつ登壇した。この中で、中野教会の男性会員(78)は、「説法を聞いて、自分には何が足りないのか、何を実践すべきか、少し分かった気がしました。私はとても頑固です。これからはこの頑固を直そう、人のことを考えられる自分になろうと思えました。私は人工内耳を装着することで人と会話もできます。今あるものに感謝をして、いかに生きるか、楽しみながら行動できるか、しっかり見つめていきたい」と決意を表明した。