バチカンから見た世界(156) 文・宮平宏(本紙バチカン支局長)

3宗教間の融和なくして中東和平は実現できない(8)―戦火ではなく星によって照らされる天地を求める教皇―

イスラエルは4月1日、シリアのダマスカスにあるイラン大使館を爆撃した。公館を攻撃することは、国際法によって禁じられている。その報復として、イランは13日夜から14日にかけて、大量のドローンやミサイルをイスラエルに向けて発射。イランが自国内から直接、イスラエルを攻撃するのは初めてのことだった。

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「WCCのピレー総幹事がWCRP/RfP新任国際事務総長に祝辞」など海外の宗教ニュース(海外通信・バチカン支局)

WCCのピレー総幹事がWCRP/RfP新任国際事務総長に祝辞

世界の120カ国以上、約5億8000万人のキリスト教徒たちの合議体である世界教会協議会(WCC)のジェリー・ピレー総幹事は4月11日、発表したプレスリリースの中で、世界宗教者平和会議(WCRP/RfP)アフリカ宗教指導者評議会を主導してきたフランシス・クーリア・カゲマ博士が、同国際委員会事務総長に就任したことへの祝賀メッセージを送った。併せて、「WCCの諸宗教との活動は、さまざまなテーマを通してWCRP/RfP国際委員会の目的とつながる」と記し、両団体の協力を推進していく意向を明かした。

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バチカンから見た世界(155) 文・宮平宏(本紙バチカン支局長)

教皇が自叙伝を刊行(5)―教皇就任の初期に辞表を書き国務省に提出―

ローマ教皇フランシスコは自叙伝の中で、繰り返し世界平和、労働の価値を擁護し、一方で、武器商人や経済の行き過ぎ(利益優先)を非難している。環境保全に関しては、「時間切れが迫っている。地球を救うための残り時間は少ない」と警鐘を鳴らし、若者たちには、「暴力に訴えず、芸術作品の汚染を避けながらも、騒ぐ(抗議する)ように」と呼びかけている。アッシジの聖フランシスコに倣い、神の創造の業(わざ)としての自然を賛美し、その保全を訴える教皇だが、頻発する有名な芸術作品や歴史的な噴水を汚しての抗議運動は戒めた。

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「人道に対する罪」に関する国際法制定を――バチカン国連常駐代表(海外通信・バチカン支局)

昨年9月からニューヨークで開催中の第78回国連総会で、ウクライナ侵攻やガザ紛争での戦争犯罪や人道に対する罪といった人権侵害の疑いが強い状況を背景に、「人道に対する罪の予防と処罰」に関する国際法の草案が検討されている。

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バチカンから見た世界(154) 文・宮平宏(本紙バチカン支局長)

教皇が自叙伝を刊行(4)―「貧者を忘れるな」と諭されアッシジの聖フランシスコを名乗る―

教皇ベネディクト十六世の生前退位という、カトリック教会史上でもまれな出来事を受けて執り行われた2013年の教皇選挙。ブエノスアイレス大司教のベルゴリオ枢機卿(ローマ教皇フランシスコの俗称はホルヘ・マリオ・ベルゴリオ)が、自身に多数の票が集まり、新教皇に選出されつつあることを感知したのは、何人かの有権者枢機卿から投げかけられた冗談や質問によってであったと、3月19日に刊行した自身の自叙伝で明かしている。

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バチカンから見た世界(153) 文・宮平宏(本紙バチカン支局長)

教皇が自叙伝を刊行(3)―前教皇の生前退位後、権力闘争による教会分裂の危機に苦しんだ教皇フランシスコ―

1982年からのフォークランド紛争(マルビナス戦争)に敗北したアルゼンチン軍事独裁政権は、国民の支持を失い崩壊した。85年には、同政権によって殺害、拉致されて行方不明となった人々を弔い、彼らの正義を求めると同時に、軍政幹部の責任を追及する裁判が開始された。

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対談・フィリピン残留日本人二世を支えて 石川義久在ダバオ日本国総領事、猪俣典弘PNLSC代表理事

戦前、フィリピンには多くの日本人が移住し、現地の人々と共に生きていた。しかし太平洋戦争で激戦地となり、戦後に多くの日系二世が現地に取り残された。彼らは、反日感情による差別や迫害を受けた上、日本人としても認められず今も無国籍状態のまま生きている。平均年齢が83歳になるフィリピン残留日本人二世の日本国籍回復をサポートする石川義久在ダバオ日本国総領事と、NPO法人フィリピン日系人リーガルサポートセンター(PNLSC)の猪俣典弘代表理事に、対談を通して取り組みに懸ける思いや今後の支援などを聞いた。(本文敬称略)

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バチカンから見た世界(152) 文・宮平宏(本紙バチカン支局長)

教皇が自叙伝を刊行(2)―軍事独裁政権下の暗黒時代を生き抜いた教皇―

3月19日に刊行された自叙伝の中でローマ教皇フランシスコは、「若い頃、映画界で働く非常に優しい女性と婚約していたが、彼女は後に他の男性と結婚し、子どもを産んだ」と明かした。そればかりか、「神学生の時代に、叔父の結婚式で若い女性と出会い、彼女に目がくらみ、心が乱れた」「頭の中が混乱するほどの美貌の持ち主で、知的な女性でもあった」とも記している。「一週間ほど彼女の姿が念頭から消えず、祈ることさえ難しかったが、幸いにして克服できた」とも回顧する。

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「“白旗”を掲げて和平交渉を――教皇がウクライナに進言」など海外の宗教ニュース(海外通信・バチカン支局)

“白旗”を掲げて和平交渉を――教皇がウクライナに進言

ローマ教皇フランシスコは、3月20日に放映予定であるスイスのテレビ局によるインタビューの中で、ウクライナ政府に対して「“白旗”を掲げて和平交渉する勇気を持つように」と促す発言をした。スイスのテレビ局が同9日、インタビュー内容の要旨を公表した。

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3月5日は国連の「軍縮・不拡散に関する国際デー」――恐怖ではなく信頼を訴える教皇(海外通信・バチカン支局)

3月5日は、「核拡散防止条約」(NPT)が発効された(1970年)記念日にあたり、昨年の国連総会で「軍縮・不拡散に関する国際デー」に定められた日でもある。

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