本会職員対象の憲法学習会 庭野開祖の平和観と本会の取り組みについて学び深める

日本国憲法について学びを深め、各人が信仰者としての行動を考えることを目的にした、立正佼成会本部職員対象の憲法学習会が5月29日、法輪閣大ホール(東京・杉並区)で行われた。事業体職員を含めた261人が参加した。

本会では昨年、「明日の自由を守る若手弁護士の会」(あすわか)の協力を得て、日本国憲法の理念や意義を学ぶ「憲法カフェ」を本部のほか、支教区や教会で実施してきた。「憲法改正」の議論が高まる中、さらに学びを深めるため、今年も本部では「あすわか」で活動する種田和敏弁護士を講師に迎えて、学習会(全5回)が行われる。

第1回となる29日には、日本国憲法の理念を大事にしていた庭野日敬開祖の平和観と本会の目指すものについて、パネルディスカッションが行われた。パネリストとして、根本昌廣時務部主席、川本貢市中央学術研究所所長、中村記子習学部部長が登壇。種田氏がコーディネーターを務めた。

この中で根本氏は、長年携わってきた平和・社会活動の経験から、自国の利益のみを追求するのではなく世界全体の幸福を考慮した「開かれた国益」という考えが必要と力説。また、人類は皆家族という仏教の「一乗の精神」、あらゆるいのちは等しく尊いという意味の「いのちの無差別性」といった考え方を示し、平和を実現するには、まずは、自身に内在する対立や分断の意識を無くすことが大切と語った。

次に川本氏は、庭野日敬開祖の著書『平和への道』から、その平和観を詳述。自らの心を平和にして、触れ合う人との間に調和を築き、相手の仏性を尊ぶなど、本会の平和活動の根底にある精神と姿勢を解説した。また、戦争は不信の心が引き起こすものという庭野開祖の言葉を挙げ、他宗教と共通の真理を見いだして共に行動する宗教協力の意義を語った。

一方、中村氏は、日常生活の中で仏教を実践し、一人ひとりが目の前の人を笑顔にするような優しい触れ合いが重要と強調した。その上で、平和な心を養うには、朝のあいさつ、人に呼ばれたらすぐに返事をする、履物をそろえるといった「三つの実践」を通して、自分の執着を取り払っていくことが大切と指摘。さらに、食品ロスといった社会問題を例に、賞味期限の近いものから購入してロスを減らすなど、自分の行為と社会の平和が密接につながっているという意識を持つ必要性を語った。

この後、グループディスカッションが行われ、参加者は本会の平和観と憲法のつながり、憲法を学ぶ意義などについて語り合った。