本会南アジア伝道区「布教リーダー教育」 つらく悲しい体験こそ仏の功徳

まとめの研修で水谷南アジア伝道区長は、世界が困難を迎えている現在こそ仏道に照らして生きる時と強調した

立正佼成会南アジア伝道区は6月18日、『布教伝道の喜び~気づいていますか、本当の功徳~』をテーマに「布教リーダー教育」をオンラインで開催した。同伝道区内のタイ、スリランカ、バングラデシュ、ネパール、インド、シンガポール、カンボジアの各拠点から92人が参加した。

同教育は、主任などのリーダーを対象に、法華経観に基づいた布教実践や功徳の受けとめ方を学ぶことが目的。新型コロナウイルス感染予防のため、対面ではなく各拠点をインターネットでつないで行われた。一部の参加者は個人端末から受講した。

体験説法に立った鈴木スリランカ教会長は、つらく苦しい出来事が人生の糧になっていると語った

当日は冒頭、ファシリテーターを務める島村雅俊南アジア国際伝道センター長が自らの経験を交えながら、『功徳について考えよう』をテーマに研修を実施。続いて、鈴木啓修スリランカ教会長が、『あらゆる体験が功徳へ』と題して体験説法を行った。鈴木教会長は、実家の経済的困窮が原因でいじめに遭ったことや、望まない転職で卑屈になった青年時代の苦悩を吐露。その後、自営業で多忙な中でも「まず人さま」の精神で菩薩行に励んだ両親の姿と、佼成会での法華経研修を通して、自らの仏性と生き方に目覚めることができた喜びを発表した。

『信仰実践の功徳のかみしめ』をテーマに永嶋バングラデシュ教会長が研修を行った

説法を受け、永嶋孝至バングラデシュ教会長が「功徳」について解説。自分にとって都合のよい出来事ではなく、つらく悲しい体験こそが人として成長させてくれる糧であり、仏の功徳と示した。

続いて、水谷庄宏南アジア伝道区長を講師に研修が行われた。水谷伝道区長は、長引くコロナ禍やウクライナ戦争、物価高騰など、世界を取り巻く環境が厳しい今こそ、仏道に照らして生きる時と強調。仏道とは、善いことを心を込めて繰り返し、常に自らの心田を耕すことと説明し、「最高の慈悲行とは、人さまに教えを伝える布教伝道です。善き縁になりたいと願い、喜びの気持ちで、皆さんが体験から得た功徳をたくさんの人に伝えて頂きたい」と語った。

最後に、赤川惠一国際伝道部部長を法座主にオンライン法座を展開。「苦をどう受けとめれば幸せになれるのか教えて頂けた」「人さまの気持ちを慮(おもんぱか)り、苦に寄り添いたい」などの感想が参加者から発表された。なお各研修では、個人ワークとして各自が「私の決意・実践行」を定め、1カ月間、日常生活の中で取り組むことになっている。
(写真は全て、「Zoom」の画面)